憎まれっ子世に憚る(にくまれっこよにはばかる)
「憎まれっ子世に憚る」とは「子供の頃は皆から嫌われても、大人になるとそれが返って良い方に転がって成功したり威勢を振るう存在になる喩え」です。平凡で大人しい子供よりも、生意気であったり言う事を聞かないぐらいの方が大物になる可能性を秘めているようで、そんな多少の生意気さが自主性を重んじるような諺となっています。
この記事の目次
憎まれっ子世に憚るの意味とは
「憎まれっ子世に憚る」の意味は以下の通りとなります。
(1)子供の頃は嫌われるぐらいの方が、大人になって世間に出ると幅を利かせて威勢を振るうようになる喩え。
(2)人からひんしゅくを買う様な人は得てして子供の頃は生意気な憎まれっ子で、それが返って世の中を上手に渡る賢さも供えて幅を利かせるようになる事。
”憎まれっ子”は「嫌われる子供」「腕白な子」「可愛げがなく好かれない子供」、”世”は「世の中」「世間」「社会」、”憚る”は「威張る」「幅を利かす」「広がる」で、子供時代は腕白で周囲から嫌われるぐらいの方が大人になると活躍するようになるのが「憎まれっ子世に憚る」です。要するに多少は嫌われるぐらいの根性や肝が据わった子供の方が将来の見込みがあるという事なのでしょう。悪い意味で威張り散らすような場合でも使う事もありますが、大抵では良い意味の驚きとして子供時代は嫌われていたのに大人になって成功や活躍をすると「憎まれっ子世に憚る」となります。人の心理として、嫌われていた子は人生が上手くいく訳がないとする思い込みが多少はあり、だから余計に威勢を振るう存在になると一転して褒めるように用いる表現です。
憎まれっ子世に憚るの由来
「憎まれっ子世に憚る」の由来は一説によると「よい人は早死にし、悪い奴が世間にのさばる」という意味の古代中国の漢詩「好人早過世、歹人磨世界」からとされています。文献としては心理学者・上野陽一の著書「人間学断片」(1948年)などに文言が記されています。
憎まれっ子世に憚るの文章・例文
例文1.誰しもSNSを利用するようになって世の中は目立ってなんぼという風潮になった事から憎まれっ子世に憚るの土壌が出来上がり、今後も迷惑行為は横行するし嫌味で皮肉しか言えない元社長やコメンテーターものさばり続けるだろう。
例文2.無学なアイドルやホストが年収数千万を手にして高級ブランドや高級車を自慢する社会なのだから、どうせ出来が悪いのなら憎まれっ子世に憚るという生き方を目指すのも致し方ない。
例文3.繁華街などで輩系ながらに成功しているっぽい者を見ると、こういうのが憎まれっ子世に憚るなんだとチー牛の自分としては妙に納得する。
例文4.憎まれっ子世に憚ると昔の人は言うが、現代はそんな気骨がある子供は少なく家庭で大事に育てられスマホとゲームだけが得意だから将来はYouTuberを目指すそうだ。
例文5.元不良の部長は何かと、「俺の生き様こそが憎まれっ子世に憚るだ」と自慢げに語るが、社員数10人以下という会社の部長という肩書で成功者扱いをされてもこっちが返答に困る。
「憎まれっ子世に憚る」を使った例文となります。
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憎まれっ子世に憚るの会話例
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○○課のあの人かー。ちょっと、勘違いしているから俺も苦手なんだよ。
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やっぱりそうなんですか? 女子社員の間でも相当嫌われていますけど、自分ではモテていると思い込んでいるんですよね。
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本人としては憎まれっ子世に憚るの典型例が自分だと思っているからね。でも怒らせると面倒だから、取りあえずは適当に相手しているんだよ。だから飲みとか誘われても、うまく断った方がいいよ。
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つまらない冗談もよくいうじゃないですか? あれもみんな愛想笑いしているのに、本当にウケていると思っているから…。
職場の同僚同士が苦手な人の文句を言い合っています。
憎まれっ子世に憚るの類義語
「憎まれっ子世に憚る」の類義語には「渋柿の長持ち」「憎がられてまめまめと」「憎まれっ子世に出ずる」「悪い奴ほどよく眠る」などの言葉が挙げられます。
憎まれっ子世に憚るの対義語
「憎まれっ子世に憚る」の対義語には「正直者は馬鹿を見る」「悪知恵が正直を踏みつけにする」「無理が通れば道理が引っ込む」などの言葉が挙げられます。
憎まれっ子世に憚るまとめ
子供時代は人から嫌われるぐらいの方が大人になってからは成功をしたり、威張れるような存在になるという喩えが「憎まれっ子世に憚る」です。所謂普通で目立たない子供よりも、少しぐらい生意気や憎まれる子供の方が個性があって大人になると成功をしている場合もあるので、「憎まれっ子世に憚る」となります。