憐憫(れんびん)
小説などを読んでいると、時折見かけるが実は読めない漢字があるものです。その中でも「憐憫」は、多くの人が実は間違って読んでいるのではないですか? 今回の「憐憫」は殺人事件や推理小説などに登場する事が多いので、読み方が間違っていたり意味を理解していないと、物語を台無しにするおそれもあります。そこで、今回は読書好きにはお馴染ですが、案外と難しい言葉の「憐憫」について解説をしていきます。
憐憫の意味とは
「憐憫」は「れんびん」と読み、端的に言うと、悲しみやより強調した憐れみと言う意味になります。心情を察する大事な場面などで度々登場する言葉で、情けをかける際にも用いられます。言葉として発して使うより、心情を表現する際の心の言葉として使うケースが最近は多いようです。また、相手だけでなく、自分自身に対しての「自己憐憫」とする使い方もあります。
憐憫の由来
中国語には「ビンイン」という、「憐憫」とまったく同じ意味を持つ言葉あるので、これが元になっていると推測できます。「憐憫」の”憐”には隣人が抱く心、”憫”には便りがないという意味があり、本来は心配程度の使われ方でしたが、時代の経過とともにより深い表現として、憐れみや同情をする際に好まれて用いられるようになりました。
憐憫の文章・例文
例文1.空地に小さな捨て猫がいて、憐憫の感情となった
例文2.浮浪者を蔑ろに扱う行政の対応に、憐憫を覚えた
例文3.初日の出を崇めて、今は憐憫を仰いでいる
例文4.最後の大舞台で失敗をして、皆が憐憫の眼差しを向けているのに気が付いた
例文5.長年友達が一人もいない私は、自己憐憫の気持ちしかない
日常生活では堅苦しくもあり難しい言葉でもあるので、あまり使われない表現ですが代表的な使い方は覚えておくべきです。
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憐憫の会話例
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この間、いつも通るあの公園で子猫が捨てられていたんだ。
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え…かわいそうじゃない。それでどうしたの?
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みんなそんな感じで憐憫の眼差しで子猫を見て通り過ぎるだけだから、僕が拾ったんだ。
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そうだったのね。でも、あなたってペット飼っていたかしら?
捨てられた子猫の話を同僚同士で話しています。しかし、こうした光景はどこにでもあります。皆さんはこういうときどうしますか?
憐憫の類義語
「憐憫」の類義語には、「憐情」「慈悲」「哀憐」などの言葉が挙げられます。
憐憫まとめ
深い悲しみ、同情、憐れむ、情けなどの意味を持つ「憐憫」なので、幅広く使われ見かけるケースも多い言葉です。難しい表現方法であるのは確かですが、同時に「憐憫」を用いると場面が締まるのも確かです。本当に心の奥底から悲しい、憐れむ等々の時は、「憐憫」を用いるのが好ましいです。