戦線恐々(せんせんきょうきょう)
今回解説していく言葉は日常生活ではあまり使う機会はありませんが、TVなどでよく使われている「戦々恐々」という四字熟語です。なんとなく意味はわかるけど、実は2つの意味を持っていることをご存じでしょうか。
戦々恐々の意味とは
戦々恐々には、2つの意味があります。
まず、1つ目は「恐れビクビクする様子」を意味します。
こちらは、字から予想がつきやすいので皆さんもなんとなく知っている意味ではないでしょうか。
実は、「戦々恐々」の「戦う」という字は「戦い」ではなく「おびえる」という意味を表す「戦く(おののく)」という意味で使われています。
次に2つ目の意味ですが、「畏れ慎んでいる様子」を意味します。
慎みを持ち、謙虚な気持ちになり物事に対して物腰が低いことを表しています。こちらは、意味を知らなかった人も多いのではないでしょうか。
戦々恐々の由来
戦々恐々の語源は古く、実は中国の最古の詩篇「詩経(しきょう)」の一説です。字が異なりますが「戦戦兢兢」と書き記されており「慎重に謙虚に行動すること」という意味で使われています。語源である「兢]という字は中国では「畏れ慎む」というニュアンスを持つ言葉として使われています。
戦々恐々の文章・例文
例文1.これからスタートするレース裏では戦々恐々とした雰囲気で息苦しかった
例文2.救助隊も二次災害に戦々恐々とした中、救出活動は続いた
例文3.卒業のための最終試験に戦々恐々と向かい始めた
例文4.新入社員の頃は常に戦々恐々を意識して教えを乞う態度で行動していたのを思い出す
例文5.新しくオンライン英会話でレッスンを戦々恐々と始めた
2つの意味があることがわかると今まで、意外と意味を勘違いしていたことがあることに気づくのではないでしょうか。漢字からはイメージ出来ないような意味で使われることもあるんですね。
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戦々恐々の会話例
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あれ、彼今日最終試験じゃなかった?
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そうよ。今日の午後から試験よ。
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どこいるの?もう会場に向かったの?
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早めに戦々恐々と会場に向かったわよ。
正しい意味がわかると「彼」が試験会場に慎重に謙虚な気持ちで向かったことがわかりますね。
戦々恐々の類義語
戦々恐々の類義語には、「戦々慄々」や「小心翼々」「薄氷を踏む思い」「畏怖」などがあげられます。
戦々恐々まとめ
今回は、戦々恐々について解説していきました。筆者は正しい意味を知らなかった時はなんとなく「横柄な態度」を表していると勘違いしていました。実は、真逆の「謙虚で物腰が低い様子」を表していたんですね。中国が由来になっている言葉には、我々が思っているのとは違った意味を持って使われている漢字がたくさんあって面白いですね。