戴冠式(たいかんしき)
「戴冠式」とは「イギリスなど君主制国家で執り行われる新国王の王位就任の儀式」です。現代において特別な存在である国王や天皇の是非は意見が分かれるところですが、このような特別な人達がいるおかげで伝統的な儀式が代々受け継がれているのも事実です。それを歴史的な文化や習慣に重要な価値として認めるのか、或いは税金の無駄遣いで平等的な観点から不要とするのか中々難しく結論は出ないので、結果的には現状路線の継続となるのでしょう。それでは日本と同じ島国であるイギリスで受け継がれている「戴冠式」の解説となります。
戴冠式の意味とは
「戴冠式」の意味は以下の通りとなります。
(1)古代から続く新国王が即位の印として王冠を頭に乗せ王位就任を宣示する儀式だが、現在はイギリスのみ行われている。
(2)君主制国家で国王や皇帝が即位後、神官などによって王冠や帝冠を頭に被せられ正式に就任した事を宣明する儀式。
”戴冠”は「新国王が王冠を頭に乗せる」「君主が即位し初めて王冠を乗せる事」、”式”は「行事」「儀式」「式典」で、新国王が誕生した国で執り行われる古代から続く盛大な儀式が「戴冠式」です。これは君主制国家である日本・ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・オランダ・スペイン・サウジアラビア・オマーン・UAE・タイ・イギリスなど28カ国のみで古代から行われてきた歴史があり、逆に言うなら世界の大半である残りの170カ国は君主制ではないので実施されておらず無関係となります。また現在は正式な「戴冠式」はイギリスのみで行われ、他の君主制国家は日本の場合は天皇陛下の「即位の礼」の「即位礼正殿の儀」、他の国々も「戴冠式」に似た「即位式」を行うのが一般的です。要するにイギリスだけが例外扱いの国で王室はロイヤルファミリーとして最も有名な一族だからこそ、現在でも「戴冠式」を行う事に拘り、2022年のエリザベス女王死去に伴う今回の5月6日に行われたチャールズ新国王の「戴冠式」が世界中から注目されたのです。
戴冠式の由来
「戴冠式」の歴史として、紀元前550年頃から存在した現在のイランであるペルシア帝国でゾロアスター教の大司教が皇帝に行ったのが世界最古とされています。その後はヨーロッパのキリスト教圏の国々でも行われ、イギリスでは1189年のリチャード1世が最初となっています。
戴冠式の文章・例文
例文1.この前テレビでイギリスの戴冠式を見ていて、不覚にも感動をしてしまった。
例文2.イギリスでは戴冠式を生中継した視聴率も相当高かっただろう。
例文3.戴冠式の祝賀コンサートが開催された。
例文4.世界中のVIPが戴冠式でイギリスに集う姿を目の当たりにすると、この世界は結局白人至上主義で多様性などを本気にするだけ無意味だと実感する。
例文5.ゴシップ誌にとっては戴冠式はあれこれと適当な嘘記事を書く為の絶好の機会だ。
「戴冠式」を使った例文となります。
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戴冠式の会話例
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イギリスの戴冠式、良かったなー。
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何をそんなに感極まっているのよ。単なる派手な帽子を頭に乗せただけでしょう。
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派手な帽子って…。いいかい、イギリスの新国王が就任する儀式というのは世界的なビッグイベントでそれを日本からも生放送で視聴できるって、どれだけ貴重で素晴らしい体験か分かる?
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それと同じ熱量で同じ事をワールドカップや東京五輪の時も言っていたよね。まったく相変わらず世間に敏感でミーハー気質なだけでしょう。
イギリスの「戴冠式」に感動する人と否定的な人の会話内容です。
戴冠式の類義語
「戴冠式」の類義語には「成聖式」「即位式」「セレモニー」「冠婚葬祭」「典礼」「大礼」などの言葉が挙げられます。
戴冠式の対義語
「戴冠式」の対義語には「退位の礼」「退位礼」「退位礼正殿の儀」などの言葉が挙げられます。
戴冠式まとめ
君主国家で行われる国王や皇帝の就任を祝う国を挙げての伝統的な即位式が「戴冠式」です。現代は君主国家自体が日本やイギリスなど極一部だけの国々だけで、また「戴冠式」ではなく「即位式」にするのが大半ですが、イギリスだけは伝統を重んじて新国王の就任を「戴冠式」として大々的に執り行うので逆に世界中から大きな注目を集めています。