所謂(いわゆる)
多くの人が「しょせん」と読んでしまう漢字ですが、しょせんと読むのは「所詮」の方で、こちらは「いわゆる」と読み、意味も全く違うものになります。間違えて使って恥ずかしい思いをしないようにしっかりと覚えておきましょう。今回は「所謂」について解説していきます。
所謂の意味
「世間でいうところ」「俗にいう」「いうところの」という意味意味になります。
世間や自身の周りの人たちなどの複数人が言っていることを表しており、「俗にいう○○」「いわゆる○○」という風に使われます。
所謂の由来
漢文において、「所謂」を「言うところ」と日本語で訳していました。
奈良時代頃まで、受け身を示し助動詞として使われていた「ゆ」の連体形の「ゆる」が「言う」にくっついて「いわゆる」と言う言葉になりました。
言うの受け身なので、所謂(いわゆる)は「(みんなの)言うところ」、「言われていること」と言う意味になります。
所謂の文章・例文
例文1.ここは所謂お化け屋敷みたいな家だ
例文2.あそこにいる彼は所謂みんなのヒーローだ
例文3.あの有名な音楽家は聴く人の心を掴む音楽を作る所謂天才というやつだ
例文4.彼は所謂イクメンだ
例文5.彼女は上司から毎日食事に誘われ所謂セクハラを受けている
「しょせん」と読んで使ってしまうと悪い意味で使われる「所詮」と間違って捉えられ相手を傷つけてしまったり話が噛み合わなくなってしまうので注意しましょう。
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所謂の会話例
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僕の奥さん子どもの世話や教育をしっかりやって大変なのに僕の弁当も手を抜かずに毎日作ってくれてるんだよ。
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いい人と結婚できて幸せね。
奥さんストレス溜めてない?喧嘩とかしないの? -
大変だから弁当も家事も自分でやるっていうんだけどニコニコしながら「好きだから私にやらせて!その代わりあなたはお仕事頑張ってね!」って優しく断られちゃったんだ。
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今どき珍しいわね・・・家事も育児も夫の健康管理もしっかりやって所謂良妻賢母ってやつね。じゃあ期待に応えてしっかり働かないと!
このように世間でいうところの、という意味で使われます。
文章を書く際に「所謂」をひらがなで「いわゆる」と書いた方が読みやすくなる場合がありますので使い分けをするといいでしょう。ただし、出来るだけ一つの資料で漢字かひらがなどちらかに統一した方がいいかと思われます。
所謂の類義語
「一般にいう」や「世間のいう」「俗にいう」という複数人が言っているという意味の言葉が挙げられます。
所謂まとめ
「彼は会社の危機を救った、所謂救世主だ」という文は、彼が会社に何らかの貢献をし、たくさんの社員を救った、世間で言う「救世主」であることを表します。「たくさんの社員を救った」とは文章ですので「所謂」の後には続きません。
また、多用しすぎると知ったかぶりのような印象を受けたり上から目線だと思われてしまう場合がありますので注意が必要です。