批准(ひじゅん)
法律に関する勉強をしている方にとって、避けて通れないのが「批准」という言葉です。日常生活ではあまり目にする機会が少ないため、判別が難しい言葉のひとつ。批准の正しい内容や例文について、おさらいしていきましょう。
批准の意味とは
批准(ひじゅん)とは国家間の条約を、最終的にチェックする手順のことを指しています。内閣総理大臣がサインした条約に対して、国として認可を与える流れのことで、色々な国と条約を結ぶ際に欠かせないステップのひとつとなっています。平たく言うと総理大臣が署名した条約を、国会などの国家機関がゴーサインを出すことです。
批准の由来
批准は日本国憲法の第73条に定義されています。それによると条約の取り決めは、国会の承認を得ることが重要だと述べられています。この流れは国家のスタイルが違えども、アメリカやイギリスなどの先進国でも同様に採用されています。アメリカの場合は上院議員の3分の2以上の同意を得られないと、大統領が正式に批准できない厳格なルールがあります。
批准の文章・例文
例文1.2国間の条約が、先日国会によって批准された。
例文2.総理は平和条約に、批准しない意向を示した。
例文3.提示された条例を批准するかしないかで、政府内でも意見が分かれている。
例文4.賛成多数で批准されました。
例文5.上院の反対が明確になり、法令の批准は見送られることとなった。
安易な条例が発令されないように「第三者機関の監査機能」として用いられるのが、批准です。一般的には内閣の意向に沿って批准が行われますが、時に政府の意向に反して、スムーズに批准が行われない場合もあるようです。
批准の会話例
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先日署名された条約に対して、政府内でも反対の意見が出ているようだね。
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そうなんだ。批准されない可能性もあるのかな?
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関係筋に意見を聞くと、批准されないシナリオも有るようだね。
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総理のメンツも丸つぶれだね。どうなる事やら。
こちらは国会に隣接する記者クラブ。先輩スタッフと新人スタッフが会話を繰り返しています。批准されるのか、されないのか。今後の政権の在り方が問われる、重要な問題です。
批准の類義語
批准の似たニュアンスの言葉として「承認」「追認」「調印」などがあります。
批准まとめ
国と国のルールや意向を確認する条例。国家同士で手を結んだ条例やルールに対して、異議を唱えるチャンスもあるのが「批准」のプロセスです。日本という国家がどう世界的な国々と向き合っていくのか、そのかじ取りが大きく委ねられています。