抜け駆けの功名(ぬけがけのこうみょう)
「抜け駆けの功名」とは「他人を出し抜き得た手柄」です。正々堂々とした勝負の上での手柄なら、本人も素直に喜べ周囲も祝福するでしょうが、現実はもっと醜いものですよね。例えば、恋愛や仕事などの人間関係では「抜け駆けの功名」は割と多くあり、それが面白くないと不満を覚える人も多いのです。何よりも、抜け駆けされた方はいつまでも根に持つので、ドロドロした人間関係に拍車が掛かります。逆に言うなら、ドラマやワイドショーが好むのは「抜け駆けの功名」ともなります。それでは詳しい解説に入らせて頂きます。
この記事の目次
抜け駆けの功名の意味とは
「抜け駆けの功名」の意味は以下の通りとなります。
(1)他人を抜け駆けして立てた手柄の事。
(2)人を出し抜いて物事を行い功績を上げる事。
”抜け駆け”は「戦場で陣を抜け出し人より先に敵陣を攻め込む」「人を出し抜き物事を行う」、”功名”は「手柄を立て名を上げる」「手柄」で、自分の為には他人などは構わず真っ先に手柄を立てるのが「抜け駆けの功名」です。より現代的に解釈をするなら、チームプレイというよりも個人主義や個人プレーに走り、自分の利益や手柄を最優先にして行動を取る事です。このようなやり方は間違いではないのですが、共存共栄や仲間を大事にする建前がある以上は歓迎されません。したがって、本音としてはこの世の中は「抜け駆けの功名」も有りなのですが、それを前面に押し出すのは少々強引であり、特に社会で働くなら「抜け駆けの功名」をしていると周囲から四面楚歌となる覚悟をするべきです。営業職など個人の結果第一の場でも「抜け駆けの功名」を嫌う人は多く、そんな自己中は職場で居場所がなくなってしまいますし、何よりも反感を持たれて貶されてしまいます。
抜け駆けの功名の由来
「抜け駆けの功名」の由来は三味線による劇場音楽「浄瑠璃」の「一谷嫩軍記」となります。
抜け駆けの功名の文章・例文
例文1.知人は抜け駆けの功名が巧みで、彼氏と別れたばかりで傷心の女性にはとことん優しくしてものにして、飽きたらすぐ次にいく。
例文2.代議士の無意味な出世レースで抜け駆けの功名を食い止めるのが官僚で、互いに省庁の垣根を越えて連絡を取り合っている。
例文3.最近のゴロツキはよく頭が回り給付金詐欺などを働くが、それならどこかの間抜けな落選したボンボンの抜け駆けの功名的な不正受給も厳しく取り締まるべきだ。
例文4.これは予知夢なのか値上がり株を見抜ける能力が身に付いたのに、抜け駆けの功名と証券会社の監視対象になるのを嫌って、取引するのを控えている。
例文5.日本は国民感情として抜け駆けの功名を許さないが、その割には老若男女を問わず献金や投げ銭が大好きで裕福な上級国民をさらに祭り上げ、浮気や闇営業をした程度の芸能人はとことん追い込むマゾ体質だ。
他人を出し抜くとして「抜け駆けの功名」を使った例文です。
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抜け駆けの功名の会話例
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買ってきたよ。先着10名限定の特製ショートケーキ。
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本当? ありがとう、あなたは頼りになるわ。
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まあ、抜け駆けの功名みたいな奴かな。前に並んでいた人達にちょっとしたトラブルがあって、その隙に俺が出し抜いたんだよ。
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それってズルじゃないの。でも、こうしてケーキが手に入った訳だしね。
大人気の洋菓子店で夫が限定ケーキを購入してきたという内容です。
抜け駆けの功名の類義語
「抜け駆けの功名」の類義語は厳密にはありませんが、強いて挙げるなら「個人主義」「身勝手」「利己主義」「自己中」「人を蹴落とす」「独り占め」「出世主義」などの言葉が挙げられます。
抜け駆けの功名の対義語
「抜け駆けの功名」の対義語はありません。”功名”の対義語は「失態」「失敗」「醜態」「不始末」などの言葉が挙げられます。
抜け駆けの功名まとめ
「抜け駆けの功名」はビジネスシーンなどでよく使われる喩えで、他人を出し抜いて手柄を立てる事です。なりふり構わずに得る手柄とは、どこか後ろめたく周囲からも反感を得やすく、そんな事から「抜け駆けの功名」となる者を貶す使い方が多くなります。