「拝察」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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拝察(はいさつ)

「拝察」とは「相手の気持ちなどを思いやる推察の丁寧語や敬語で、謙った表現」です。日常生活では推察も滅多に使いませんが、その謙譲語「拝察」が急激に話題になったのをご存知ですか? 後から詳しく解説しますが、コロナ禍での東京五輪開催について宮内庁長官が会見で「拝察」を使い、一気に注目ワードとなったのです。言葉からして丁寧であり上品な感じは伝わりますが、正しくはどんな意味合いなのか調べてみました。

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拝察の意味とは

「拝察」の意味は以下の通りとなります。
(1)推察する事を謙った表現の言葉。
(2)推察の敬語で相手の気持ちを慮って代弁する事。
(3)相手の心情を察して自らの意見を言う事。
”拝”は「敬意を表する」「お辞儀」「礼拝」「崇める」、”察”は「推量する」「推測する」「おしはかって考える」で、相手に敬意を示した上でその気持ちや感情を推測し自らの意見とするのが「拝察」です。滅多に使われる言葉ではないですが、コロナ禍における東京五輪開催について記者会見で宮内庁長官・西村泰彦氏が「天皇陛下は新型コロナウイルスの感染状況を大変ご心配になされております。(中略)開催が感染拡大に繋がらないかご懸念されている。心配であると推察致します」と発言し、直後から「天皇陛下は五輪懸念」とニュースやマスコミが取り上げ一気に波紋が広がったのです。この騒動を総理や大臣達は即座に「宮内庁長官の見解」であり、「天皇陛下の心情ではない」と全力で否定に走ったのです。しかし、宮内庁長官が個人的な意見を言う訳がなく、何よりも「拝察」と態々付けている裏には、天皇陛下が政治的な問題に口出しをするのは法律上出来ないので、だからこそ身近な長官が代弁をする形として気持ちを表明したのです。よって、「拝察」とは両者の間に信頼関係が成り立っていないと成立せず、勝手に忖度をされて気持ちを言われても、それはまったく違えば迷惑以外の何ものでもありません。そんな騒動によって注目を集めてしまった言葉が「拝察」ですが、本来は純粋に推察や推測、或いは忖度の丁寧語なのです。

拝察の由来

「拝察」の由来は残念ながら不明です。文献としては、近代日本の小説家・正宗白鳥の著書「光秀と紹巴」(1926年)などに文言が記されています。

拝察の文章・例文

例文1.上司が調子悪そうだったので、拝察して風邪薬やのど飴を机の上に置いておいたら、女性社員がやったものだと急に喜びだした。
例文2.子供の頃から両親の躾が厳しくそれに不満だったが、中学生になって暴走族に入ると総長や幹部達への拝察する力となって活かされ、今では親に感謝するほどだ。
例文3.結婚当初は仲睦まじかったのに3年もしないで妻がキレやすくなり、現在は完全に主従関係が成立し常に拝察をしないといけないので、気が疲れて仕方がない。
例文4.コロナ禍の五輪で拝察発言をした宮内庁長官は多分左遷され、菅政権によって干されてしまうだろう。
例文5.子供の頃から必死になって毎日何時間も勉強をして、やっとの思いで東大に合格し官僚になっても、馬鹿な政治家の下部となって拝察や忖度に明け暮れるのだから、その頭脳や知識はまったく無駄で残念としか思えない。
嫌味に「拝察」を使った例文などです。

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拝察の会話例

  • …そうではないかと拝察致しまして、それでこの料理を作った所存です。

  • 私は玉ねぎもピーマンも嫌いなの。なんで、こんな野菜たっぷり料理を作ったの?

  • ですから、今日は機嫌が良くてお召し上がりになるのではと拝察し、勝手ながらにこの料理を作りました。

  • それに、夫婦なのにその畏まった口調も嫌なの。何が拝察よ。慇懃無礼じゃないの?

丁寧な口調の夫とそれに嫌気が差す妻の会話です。

拝察の類義語

「拝察」の類義語には、「推測」「推し測る」などの言葉が挙げられます。

拝察の対義語

「拝察」の対義語は厳密にはありませんが、”推察”の対義語は「確認」「断定」「認定」「決断」などなのでこれらが類似と推測できます。

拝察まとめ

「拝察」は推察を謙った表現で、主に目上の人の感情を慮って代わりに意見や気持ちを述べる事です。要するに、相手の心を思いやり推し量っている事の敬語的な表現が「拝察」となります。

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