損して得取れ(そんしてとくとれ)
日本のことわざに「損して得取れ」という言葉があります。
「あの人、まじめで優しいけど損な性格だよな~」なんて周りから言われていた人が、最終的には人から信頼されて大きな仕事を任されていた…。
なんてことはありませんか? 私の側にもそのような人がいますが、そのような人はまさに「損して得取れ」を実践した人なのだなあと思います。
「損して得取れ」は人生においてとても深い言葉。この記事では、「損して得取れ」の意味や由来をまとめてみました。
損して得取れの意味とは
「損して得取れ」の意味は、「一時的には損をしてでも、将来的に大きな利益になることを考えなさい」という言葉です。
商売用語で特に使われ、投資の大切さを教える言葉でもあります。
普通に生きていると「できるだけ支出を抑えなければ」と思いがちですが、そうではなく、むしろ将来のために今投資しよう、使うことでむしろ利益になるのだ、という考え方です。
なので、このことわざを正確に言うならば「一時的に損して将来的に得を取れ」という意味になるでしょう。
損して得取れの由来
ところが、「損して得取れ」の由来を見ると面白いことがわかります。
元々「得取れ」は「徳取れ」という意味だったというのです。徳、つまり人からの信頼です。損なことであっても、一生懸命人のために尽くし、善意を示していくならばいずれ人から信頼される。人望が集まって認められ、最終的には自分に帰って来る、という意味なのです。
どこかからか利益重視の思想が入り込み、徳取れが転じて得取れとなったのでしょうが、利益ではなく徳、思いやりや善意、誠実さ、そういったものは決して人を裏切らない、ということですね。
損して得取れの文章・例文
例文1.損して得取れ。今頑張って学校に行けば、将来の財産になる。
例文2.あそこの会社は損して得取れのモットーらしい。
例文3.損して得取れと言われても、なかなか損ができない。
例文4.投資した甲斐があった。損して得取れは本当だと実感したよ。
例文5.あの人は損して得取れを地で行く人だ。
見ていると時には歯がゆい。けれど、やはりそういう人はどこか尊敬できる、清々しくて気持ちの良い人であることが多いですよね。
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損して得取れの会話例
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なかなか彼は成績が伸びないなあ。今まで丁寧に仕事を教えてきたけど、無駄だったんだろうか。
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そんなことはありませんよ。彼も先輩に感謝してますし、何よりこの前、部長が先輩の事を「忍耐強く教える根性のある奴だ」って褒めてましたよ。
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そうなのか?
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損して得取れです。先輩のそういうところ、僕も尊敬してますよ。
損して得取れは、意識してできるものではありません。下心があったらできないことです。けれど、得取れ=徳取れです。信頼される人は、必ず周りからも評価されます。
損して得取れの類義語
損して得取れの類義語として「損せぬ人に儲けなし」という言葉があります。こちらは損して得取れより利益重視の強い言葉です。
損して得取れまとめ
ここまで損して得取れをまとめました。
わかっていてもなかなか実行できる言葉ではありません。また、そのように生きている人の行動をまねしようとしてもできないもの。人を大切にし、思いやる心を自分の中に育てていく必要がありますね。