春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
「春風駘蕩」とは「春風を感じさせる長閑な陽気や春らしい温和な性格」となります。春らしい景色や気候に人々の性格にまで使われる言葉で、それだけ春とは四季の中でも平和や温厚などを連想させる特別な言葉なのでしょう。これは身も凍えるほど寒い冬や焼けるように暑い夏に寂しげな秋では喩えとして用いられないものです。では、「春風駘蕩」の解説をさせて頂きます。
春風駘蕩の意味とは
「春風駘蕩」の意味は以下の通りとなります。
(1)長閑な春の景色。春風がそよそよと気持ち良く吹かれている。
(2)長閑な春から、転じて、温和でのんびりした性格の人の喩え。
(3)春の風が長閑で優しい事から、平和で平穏な暮らしぶり。
”春風”は「春の穏やかな風」「春の日に吹く優しい風」、”駘蕩”は「遮るものがなくのびのびしている」「平穏でのんびりしている」で、長閑な春の景色や春に吹く優しい風、そして春の気候のような穏やかな性格という意味になるのが「春風駘蕩」です。寒い冬が終わった後の春という暖かい気候は格別で、そこで吹く風も長閑に感じられ、そこから優しい性格の人物像としても使われます。よって、温和や温厚、物腰が柔らかい、落ち着いている、控えめ、さらに現代流に解釈するなら草食系なども「春風駘蕩」に当て嵌まります。使い方としては、「春風駘蕩たる穏やかな日和」「春風駘蕩な景観」「春風駘蕩な性格」春風駘蕩な趣」といった風になります。
春風駘蕩の由来
「春風駘蕩」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては近代日本の小説家・小栗風葉の著書「恋慕ながし」(1898年)などに文言が記されています。
春風駘蕩の文章・例文
例文1.春風駘蕩な友人は俺のどんな悩みでも黙って聞いてくれて、最後には適切な助言をしてくれるので、まるで有名な一流セラピーのように頼りになる。
例文2.妻と春風駘蕩を感じる為、日光へ往復8時間のドライブに出掛けた。
例文3.それまでは日々荒んでいたが、ふと訪れたペットショップでダックスフンドを飼い始めてからはまるで人が変わったように春風駘蕩な人柄になってしまった。
例文4.どんな寒空の下でも春風駘蕩そのものの笑顔を見せる彼女と一緒に居られるのは幸せだと改めて実感した。
例文5.今年は厄年のように災難続きだったが、春風駘蕩であるよう心掛けていたら少しずつだが人生に対して前向きになれるようになった。
穏やかな春の日々やそんな性格として「春風駘蕩」を使った例文です。
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春風駘蕩の会話例
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明日は久しぶりに二人とも休みだし、どこかに出掛けようか?
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それならドライブにでも行かない。最近はずっと行ってなかったよね。
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そうだね。春風駘蕩な景色を感じにちょっと千葉や茨城の方に行ってみようか。
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うん。途中で美味しい物も食べようね。
ドライブデートの計画を立てる男女の会話です。
春風駘蕩の類義語
「春風駘蕩」の類義語には、「春日遅遅」「温厚篤実」「温柔敦厚」などの言葉が挙げられます。
春風駘蕩の対義語
「春風駘蕩」の対義語には、「秋霜烈日」「志操堅固」などの言葉が挙げられます。
春風駘蕩まとめ
「春風駘蕩」は春の長閑な自然や春風の心地良さ、そんな春らしい温和でのんびりした性格という意味合いになります。暖かな春という季節はどこか平穏や平和といったイメージもあるので、そこから「春風駘蕩」は気候や景色だけでなく、そんな性格まで表す言葉として馴染まれています。