晴耕雨読(せいこううどく)
晴耕雨読とは、俗世間を離れて心穏やかにゆったりとした暮らし、晴れた日には畑を耕して、雨の日には家の中で書物を読むことを意味する言葉です。現代的に言うと、田舎暮らしやスローライフという言葉が近いのかもしれません。いつの時代もそういった人間関係や社会の荒波の中で疲れた心を癒す場として、田園や田舎の原風景を思い浮かべる人も多いでしょう。今回は晴耕雨読の意味や由来、類義語、対義語などを交えてわかりやすく解説をしていきます。
晴耕雨読の意味とは
晴耕雨読の意味は、俗世間から身を離して、心穏やかな心境でゆったりと暮らす、晴れた日には田畑を耕し雨の日は家にこもって読書をするそんな生活を指す言葉です。子母澤寛が書いた「勝海舟」という小説の中でも「国へかえって晴耕雨読とも行けまいが、ささやかな百姓をしながら、山村の若い者を対手に、楽な気持で竹刀でも振廻して行く決心をしました」という文章があり、当時江戸幕府で高官の地位にあり、喧噪と激務の中にいた勝海舟の言葉として使われています。また勝海舟は晩年には別邸があって現在の大田区洗足池の地で、晴耕雨読の生活を楽しんでいたようです。
晴耕雨読の由来
晴耕雨読の由来は説が二つあり、明治時代の文学者である塩谷節山の漢文詩から来ているもの、吉田丹三郎の漢文から来ているものと言われていますが、どちらが正確であるのかはわかっていません。そして現存している書物では1889年に発刊された本の中で使われており、それ以降には広く使われている事が分かります。
晴耕雨読の文章・例文
例文1.彼女は、晴耕雨読な生活を始めて本が前よりも一段と好きになった
例文2.定年退職したら晴耕雨読な生活を送ろうと考えている
例文3.晴耕雨読な日々を過ごすために、畑を用意する
例文4.今まで晴耕雨読な生活を送ってきたが、日々の繰り返し飽きてしまい新しいことを始めようと決心する
例文5.彼女の叔母は晴れの日には田畑を耕し、雨の日には室内で本を読んでいる。まさに晴耕雨読である
晴耕雨読は、使える場面が限られてはいますが、耳にすることはあると思うので是非覚えておきましょう。
晴耕雨読の会話例
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君は定年後なにかやりたいことはあるのかい?
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そうだね。僕は定年後は田舎で晴耕雨読な生活を送りたいと思っているんだ
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そうなんだね。君は昔から三度の飯より読書が好きだものね
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うん。まだまだ読みたい本もあるし、今後の生活も楽しみだよ
本が好きな人にとって晴耕雨読なとても充実した日々になるに違いないでしょう。
晴耕雨読の類義語
晴耕雨読の関連語としては「悠々自適(悠悠自適)」「閑雲野鶴」などがあげられます。
晴耕雨読の対義語
晴耕雨読の対義語としては、仕事が多く忙しい事を意味する「多事多端」があげられます。
晴耕雨読まとめ
読書が好きな人には晴耕雨読な生活を送れることはとても幸せなことなんじゃないでしょうか。自分の好きなこと、やりたいことをするのはとても大切なことだと思います。また、歳をとってからでは当然できないことも出てくるので、若いうちにしかできないことはしておくほうがいいでしょう。ただ、年老いても挑戦している姿をみると「自分も頑張ろう」と思いますし、そのような老後が送れたらいいですね。