暁暗(あかつきやみ)
「暁暗」とは「夜明け前の月が出ていなく周囲が暗い頃」です。一般的には季節にもよりますが午前4時頃から6時頃を明け方や夜明けと言いますが、それを古語である「暁暗」と表現するのはかなりの少数派ですよね。しかし、最近は敢えて古語を使う人も増えてきているので、この伝統的な日本語を覚えても損はないでしょう。
暁暗の意味とは
「暁暗」の意味は以下の通りとなります。
(1)夜明けのまだ暗い時。明け方。
(2)明け方で月がなくまだ暗い頃。
(3)陰暦で1日から14日頃までの夜明け方。
(4)「ぎょうあん」「あかときやみ」とも読む。
”暁”は「太陽が昇る前のほの暗い頃」「待ち望んでいた事が実現する」、”暗”は「暗い」「闇」「はっきり(外に)見えない」で、夜明け前の周囲が暗い状態が「暁暗」です。古語的表現であり現代はあまり使われませんが、夜明けの薄暗い状態を敢えて強調したり印象付ける際に用いられます。また、最近は若いアーティストなどが曲タイトルで古語を使ったり、その影響なのかSNSではネット用語と同じ感覚で使用されるので、「暁暗」などに抵抗感ない若者も増えています。使い方としては、「暁暗の中を」「暁暗の頃」「歴史の暁暗」といった風になります。
暁暗の由来
「暁暗」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては奈良時代の日本最古の和歌集「万葉集」(8世紀後半)などに文言が記されています。
暁暗の文章・例文
例文1.まだ暁暗なのに目が覚めてしまい、えいやと気分を入れ替える為に町内を軽く走る事にした。
例文2.仕事が徹夜で暁暗な頃に家に帰ってきたが、案の定妻と娘は夜遊びでまだ家に帰ってきていないので干しっぱなしの洗濯物を取り入れ、急いで掃除と食事を作って倒れるように眠りについた。
例文3.カルトに献金する為に先月からバイトで新聞配達を始め、最初は眠くて辛かったが「暁暗な景色を独占する機会を設けてくれた尊師に今では感謝している」と友人達に告げると、全員が憐れみの眼差しを送った後に確実に距離を取り離れていく。
例文4.日本は長年経済が低迷し暁暗すら見出せないと言われてきたが、その元凶は政治と宗教だったようだ。
例文5.ドライブをした帰りはいつも暁暗になっているが、エアコンをガンガンに効かせた車内で食べるポテチとキンキンに冷えたコーラーを飲むと、スピード違反で捕まった出来事も数年前の記憶のように超音速で生きる俺は忘れてしまう。
「暁暗」を使った例文となります。
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暁暗の会話例
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今日は多分帰りが遅くなると思う。久しぶりに飲みに行くから。
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遅いって、今夜中には帰ってくるんでしょう?
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もう少し遅いかな…。夜中の2時、3時を過ぎて、暁暗の頃には帰ってくると思うけど…。
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暁暗って、もう朝じゃないの。それなら漫画喫茶にでも泊まって、帰ってこなくていいから。
朝方まで酒を飲もうとする夫に呆れる妻という内容です。
暁暗の類義語
「暁暗」の類義語には、「夜明け」「明け方」「有明」「日の出」「彼誰」「平明」などの言葉が挙げられます。
暁暗の対義語
「暁暗」の対義語には、「日暮れ」「夕闇」「夕暮れ」「黄昏」「夕方」「夜更け」などの言葉が挙げられます。
暁暗まとめ
「暁暗」は夜明けや明け方の事で、日がまだ出ていないので辺りは暗く静まり返っている状況を指しています。また、月が出ていなく暗いので類似表現の夜明けや明け方とは厳密にはそこが違ってきます。