暗黙の了解(あんもくのりょうかい)
「暗黙の了解」は比較的に使いやすく、日常的にも見聞きする頻度が高い言葉ですよね。「阿吽の呼吸」と似た使い方ができ、まるで長年連れ添った夫婦や親子など親しい関係だと、無駄な会話をしなくても息が通じる言葉として理解していませんか。では、本当にこのような意味があるのか、又、由来や類語などはどのようになるのか調べてみました。
暗黙の了解の意味とは
「暗黙の了解」の意味は以下の通りとなります。
(1)黙っていても了解、理解、意思疎通が取れる間柄や関係。
(2)言葉にしなくても、皆が了解している関係性。
(3)その場の空気を読み、又は意思を察知して誰もが相互理解する。
以上の様な意味があります。さらには、”大人としての常識”などマナーや知識として知っておくべき事、仲間内など限定的なお約束や共通理解としての「暗黙の了解」もあります。例えば、エレベーター内などは静かにしてタバコなどを吸わないのは常識ですよね。この様な事も、一つの「暗黙の了解」となります。その場にいる全員が説明し合ったり、張り紙などがなくても、皆が同じルールを守り共有する事です。他には、有名なのは長年連れ添った夫婦や、付き合いが長い恋人同士なども当事者同士の「暗黙の了解」とするルールがありますよね。朝起きたら丁度良いタイミングでコーヒーやお茶を淹れ合うなど、二人の関係性が濃くなりお互いに理解すると、徐々に会話がなくても成り立つのです。そして”不文律”と同じような使われ方もされ、”暗黙の約束”や”暗黙の掟”と言った似た意味を持つ言葉も有名です。
暗黙の了解の由来
残念ながら「暗黙の了解」について、明確な由来や経緯などは分かりませんでした。「暗黙」だけの意味ととなると、以下の通りです。
(1)口に出さないで黙っている。
(2)一切明言しない。
(3)目にも見えず口にしない。意思すら表に出さない。
1886年に出版された仏和法律語辞典に「暗黙」の記載がある事から、その当時は既に認知されていた言葉となります。続いて「了解」についての意味となります。
(1)事情を思いやって納得。理解、受け入れ飲み込むなど。
(2)無線などで、通信内容を受け取ったと相手に伝える言葉。
(3)考えや事情を察して、それを理解と納得した際の返答。
この二つを合わせると、自論ながら戦前や戦中などの各国では、「暗黙の了解」が特に軍隊などでは大事な役割や常識となっていたと理解できます。
暗黙の了解の文章・例文
例文1.芸能人の追っかけなど熱狂的ファンって、暗黙の了解や独自ルールが多いって言うよね。
例文2.暗黙の了解で、母親が黙って小遣いを渡してくれた。
例文3.我が家は、最後にお風呂に入った人が掃除をするのが暗黙の了解となっている。
例文4.お寿司屋は禁煙! これって暗黙の了解だと思うけど、実は違うみたいだ。
例文5.社会人になったら、5分前行動が暗黙の了解らしい。
「暗黙の了解」は使い方が本当に多く、家族や友人、或いはその町だけの独自ルールなども当て嵌まってしまいます。例文が多くありすぎて、どれが一番納得できるのか各々で判断して下さい。
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暗黙の了解の会話例
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それにしても、政府を見ているとおかしな暗黙の了解って結構多いよね!
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例えばどんなの?
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政府は景気が良いって言うのに、どう見ても地方は寂れて商店街は壊滅状態。それを口にする政治家っていないよね! 景気がいいなら、儲かっているお金や税金を回せばいいのに!
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それを口にするのはタブーなんだよ。暗黙の了解を破る事になるからね。第一、景気が良いのに国債を大量発行する矛盾がある国だからね。
「暗黙の了解」と政府、景気について不満を露わにする会話内容です。
暗黙の了解の類義語
「暗黙の了解」の類義語には、「阿吽の呼吸」「不文律」「紳士協定」などの言葉が挙げられます。
暗黙の了解まとめ
「暗黙の了解」は言葉通り、黙っていても内容などを理解し納得しているとする意味です。家族や仲間通しでの共通理解だけでなく、悪い事を黙っているや口外しないという面もあり、使い方の状況に応じて意味合いが変わってきます。