月夜に提灯(つきよにちょうちん)
「月夜に提灯」は今時珍しいと言うと語弊もありますが、実に文字通りの言葉となります。月夜となれば明るいので提灯は不要という諺だからです。それ故に、不要な物などの喩えとして用いられます。最近は不用品を売却したり断捨離が流行っているので、関係深い言葉として覚えてはどうでしょうか。それでは、解説に入らせて頂きます。
月夜に提灯の意味とは
「月夜に提灯」の意味は以下の通りとなります。
(1)不必要、無駄な物、無益、役立たずなど。またその喩え。
(2)月が出る明るい夜には提灯は不要から、転じて、必要無い物などの事。
(3)「月夜に提灯夏火鉢」とも言い、月夜の提灯と夏の火鉢は不要から同義となる。
”月夜”は「月の明るい夜」「秋の夜」、”提灯”は「足下を照らす灯り」「蝋燭による携行用灯」で、「月が明るいのに提灯を持ち歩く」となります。これでは滑稽で、月明りの下で提灯は邪魔なだけなので、転じて、必要ないものや役立たずといった意味や喩えとして使われます。また、「月夜に提灯も外聞」は反対に、実際には不必要だが世間体で必要という事です。ですから、必ずしもではないですが、マイカーやマイホームなどが当て嵌まります。因みに、”月夜”を使った言葉は大変多く、「月夜に釜を抜かれる」「月夜の蟹」「月夜烏」などいくつもあります。
月夜に提灯の由来
「月夜に提灯」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、俳諧「世話尽」(1656年)などに文言が記されています。
月夜に提灯の文章・例文
例文1.東京への一泊二日の出張でスーツケースを二つ持っていったら、同行する先輩から「月夜に提灯だな」と呆れられた。
例文2.妻が散財するので、我が家には至る所に月夜に提灯なガラクタが点在している。
例文3.国会で居眠りしている議員を見る度に、己が月夜に提灯である自覚があるのか問い質したくなる。
例文4.メルカリなどが普及したのは、月夜に提灯な物は処分するべきという考えが一人ひとりに浸透したからだろう。
例文5.月夜に提灯夏火鉢と言うように、新政権はコストカットに躍起になっているが、国会議員がそもそも多すぎるので定数削減こそ断行してもらいたいものだ。
様々な不要な事を「月夜に提灯」とした例文となります。
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月夜に提灯の会話例
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それにしても、うちのリビングは散らかっているなー。
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あなたが仕事ばかりで、片付けに協力してくれないからでしょう。
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そうだけど、不用品が多すぎるよ。これでは他人が見たら、月夜に提灯な部屋と思うぞ。
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あらいいじゃない。お客さんに要らない物を持っていってもらいましょう。
ある夫婦が不要品ばかりのリビングで言い争いを始めます。
月夜に提灯の類義語
「月夜に提灯」の類義語には、「無用の長物」「夏炉冬扇」などの言葉が挙げられます。
月夜に提灯まとめ
「月夜に提灯」とは、端的に言うなら不用品や不必要といった意味の諺で、明るい月があれば提灯は不要な事から、転じてこの様な不必要といった意味合いとなりました。また、”月夜”を使った言葉は「月夜に提灯」の他にも多数あるので混合や混乱しないように注意して下さい。