月経前症候群(げっけいまえしょうこうぐん)
「月経前症候群(PMS)」は月経の3~10日前から起こり、月経開始に伴って軽減したり消失する身体的または精神的な不快症状のことをいいます。 あなたや周りの女性の生理前の不調も「月経前症候群(PMS)」かもしれません。この症状は20~30代を中心に50~80%の女性に起こるものなので、女性はもちろん男性も知っておいて損はない知識でしょう。
この記事の目次
月経前症候群(PMS)の意味とは
「月経前症候群(PMS)」の症状は人によって様々なものがあり、腹痛・頭痛・乳房が張る・動悸・腰痛・食欲の増減・関節炎・肌荒れなどの身体の不調や、イライラ・パニック・不安・集中力や記憶力の低下・涙もろくなる・無気力などの精神的不調が起こります。
原因は解明されていませんが、月経周期による女性ホルモンの急激な変化から起こると考えられています。
症状の軽減にはストレス解消や軽い運動、症状に合わせてビタミンやミネラル、カルシウムやマグネシウム等を摂取することが良いとされています。
また、低用量ピルなどで排卵をコントロールしたり、鎮痛剤・利尿剤・精神安定剤などで各症状に対処する薬を使う方法もありますので、お困りの場合は医療機関に相談されると良いでしょう。
月経前症候群(PMS)の由来
Frank RTらが1931年に女性特有の症状を調査した際に「Premenstrual tension(PMT)」として報告しました。
その後、Greene R, Dalton Kらが「Premenstrual syndrome(PMS)」と呼びはじめました。
日本では「premenstrual=月経前の」「tension=緊張」なので「月経前緊張症」、「premenstrual=月経前の」「syndrome=症候群」なので「月経前症候群」と呼ばれています。
月経前症候群(PMS)の文章・例文
例文1.もしかして最近やけにイライラするのはPMSの症状かもしれない
例文2.生理前の腹痛は月経前症候群と考えられる為、鎮痛剤を処方します
例文3. 月経前症候群で体調が悪いことが多いので、生理前は出来るだけ時間を作って家でゆっくり休むことにしています
例文4. 明日はデートなのにPMSで肌荒れしてしまった
例文5.この時期はPMSで気分が落ち込むから、お気に入りの入浴剤を買ってリラックスタイムを充実させることにした
症状の内容も程度も人によって様々な為、月経前から開始までに現れる不調の総称として使われる言葉です。
月経前症候群(PMS)の会話例
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最近調子悪い?大丈夫?
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最近生理前になると頭が痛かったり、落ち込んだりするから病院に行ってみたらPMSって言われたの。
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そうか。辛い時にフォロー出来るように、月経前症候群について自分でも少し調べてみるね。
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月経前症候群って言って症状や程度は人によって各々違うみたい。私は日常生活にも支障が出ているから、低用量ピルを試してみるわ。
会話の中では「PMS」と言うことが多いようですが、聞き慣れない人に話す場合は「月経前症候群」の方が理解を得やすいでしょう。
月経前症候群(PMS)の類義語
「月経前症候群(PMS)」は「生理前症候群」と呼ばれることもあり、「月経前緊張症(PMT)」は類語です。
また「月経前症候群(PMS)」の中でも特に精神的症状が強い場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」として区別されます。
月経前症候群(PMS)まとめ
すべての月経がある女性に起こりうることですが、まったく気にならない人もいれば日常生活が困難な人もいます。また人によって症状の内容も強弱も全く異なり、毎回変化することもあるので非常に曖昧に感じるかもしれません。しかし月経の周期ごとに毎回反復するものなので、症状のある女性にとってはとても大変なことなのです。まだまだ認知度が低いので気付くことも理解を得ることも簡単ではないかもしれませんが、本人も周りも知識をもって上手に対処したいですね。
「月経前症候群(PMS)について」
上記の日本産婦人科協会のホームページでも詳細を見ることができます。