朔(さく)
「朔」とは「新月や月初めの一日といった秋や月と深い関係がある言葉」です。四季折々を表す言葉は多数ありますが、「朔」は秋を連想させる言葉ではないでしょうか。新月から満月までは15日周期なので本来は季節を問わないのですが、秋の十五夜は最も月が綺麗に見えるので、そこから秋というイメージがありますし、新月が始まりとして「一日」という事にもなります。そんな趣がある「朔」についての解説となります。
朔の意味とは
「朔」の意味は以下の通りとなります。
(1)太陰暦で月の第一日。一日(ついたち)。朔日。
(2)月と太陽との黄経が等しくなる時で、夕方西空に見える細い月の新月の事。
(3)四季の最初の日。四孟(孟春・孟夏・孟秋・孟冬)
(4)方角の北や北方。朔北。
(5)「ついたち」とも読む。また、「朔日」も「さくじつ、ついたち」と読む。
「朔」はあまり馴染みがない古語という印象ある言葉ですが、それでも秋の季節になると”月”に絡めて使われる機会が増えてきます。それは一年の中でも秋になると月が綺麗に見えるので、「中秋の名月」といった趣ある言葉と関連させ「朔」という表現がされるのです。具体的には月には周期があるので見え方が変わり、それに応じて呼び名も違ってきます。月の満ち欠けが始まる月で1日目の月が「新月」で「朔」や「朔月」(さくげつ)とも呼び、そこから「朔」は「月の第一日」という意味になります。使い方としては、「朔に願い」「朔の下」「朔のような」といった風になります。
朔の由来
「朔」は古代中国が暦を頒布する際に用いて、それが日本にも伝わったのが始まりだと推測できます。文献としては、律令の解説書「令義解」(718年)などに文言が記されています。
朔の文章・例文
例文1.今宵は朔となるので趣が感じられ、夜空を見上げながら日本酒を一杯飲みたくなる。
例文2.来月の朔日は日光ドライブで紅葉を楽しんでくる予定だ。
例文3.朔は新月だが、月が見えないという常識を知らず恥をかいた。
例文4.彼女は心まで美しく、話すだけで朔のような清らかな気持ちになってしまう。
例文5.朔の空で輝くカシオペヤ座を見ながら、暖かい缶コーヒーを飲むと少しだけ気が晴れて、明日も頑張ろうと思える。
一日や新月や方角の北として「朔」を使った例文です。
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朔の会話例
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今日は十五夜だから満月がとても綺麗だ。
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神秘的な気持ちになるわよね。
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新月の朔から始まって15日目で満月となって、また少しずつ欠けていって、再び新月となって見えなくなる。
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でも、また十五夜で満月となるのよね。半月に一度って、まるで私達の逢引みたいね。
不倫関係な男女が満月を見つめる会話です。
朔の類義語
「朔」の類義語には、「月初め」「初日」「朔日」「第一日」「月旦」「北部」などの言葉が挙げられます。
朔の対義語
「朔」の対義語には、「晦日」「晦」「望」「満月」「南」「月末」「三十日」などの言葉が挙げられます。
朔まとめ
「朔」は「ついたち」とも読み、そこから新月や月の一日といった意味の言葉です。現在は古語的な扱いで日常生活ではあまり使われませんが、名前で付けるのがちょっとしたブームになり脚光を浴びています。他にも方角の北や四季の最初の日とする際に用いたりします。