朝三暮四(ちょうさんぼし)
大半の人に当てはまると思いますが、苦労せずに利益をえたり、楽して儲けられたらいいなというよう考えはあるかと思います。ただ、そういった上手い儲け話にはウラがあるので、気をつけなければなりません。今回はそうした状況に当てはまる慣用句で「朝三暮四(ちょうさんぼし)」という言葉の解説をしていきます。
朝三暮四の意味とは
朝三暮四とは、「うまく口車にのせて、人をだまそうとすること」や「目先の違いにだけ気を付けていて、結果が同じことに気づかない」ことを表しています。人の本質をしっかりと見極める事が重要です。
朝三暮四の由来
この言葉は中国の「列子」または「荘子」斉物論からきています。『宋の国の狙公が多くのサルを飼っていたが、食料が減ってきたことを理由に、サルの餌としていたトチの実を減らすことを考えました。最初は朝に3つ、夜に4つの実を与えたが、サルたちが怒ったため、朝に4つ、夜に3つ与えることにした。そうするとサルはとても喜んだ。』というところからこの言葉がきています。
朝三暮四の文章・例文
例文1.店員の口車に載せられて、定価と変わらない商品をお得だと思って買ってしまい、朝三暮四だなあと思った
例文2.弟におやつに一緒にプリンを食べようと誘ったら嫌がったが、昼食後に一緒に食べようと誘ったらとても喜んだので、朝三暮四だと思った
例文3.疲れたり、イライラしていると朝三暮四になりやすいから、気をつけようと心がけている
例文4.人は精神的に落ち込むと、冷静な判断ができなくなり朝三暮四になりやすいから、注意が必要である
例文5.朝三暮四は、心理的に魅力のある者に対して、正常な判断ができなくなる
この言葉は、それ自体はあまり良い状態を指す言葉ではないので、「~ならないように気をつけよう」「~なりたくない」といった教訓や注意するために用いられるようなことが多いです。あとは、例1や例2の様に些細な状態にも使われます。
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朝三暮四の会話例
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この商談の雰囲気について報告を受けたいのだが、時間いいか?
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はい、大丈夫です。あの契約会社については、とても現状焦っているようで、朝に無理だった契約も夕方にもう一度お願いしたら契約取れました。
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なるほど、朝三暮四の典型のような例だな。それで、それから何か動きは?
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いえ、それ以降動きはありません。しかし、一度契約しているので心が変わることはないと思います。
焦っているときほど、冷静な判断がつかなくなります。朝三暮四のようなことにならないように気をつけましょう。
朝三暮四の類義語
朝三暮四を「朝四暮三」と使う事もあります。意味合いを考えると、三と四のどちらが先にきても意味が変わることはないです。他にも類似する言葉としては、「三百代言」という言葉もあります。
朝三暮四まとめ
この言葉は、「目先の事にとらわれずに先の事まで考えよう」というような教訓を含んだ言葉になります。対人のお仕事をしている人は特に覚えておえきたい言葉ですね。なので、~ならないように気を付けるというようなことに用いられるのが自然です。