期待値(expected value)
期待や信頼というのは人を強くさせます。期待されていれば、それに応えてやってやろう!という気持ちにもなりますが、期待されていないと本気を出そうにも出せません。
ところで、「期待値」という言葉はいかにも「人に期待する」というポジティブな意味に聞こえますが、実はとても数学的で冷徹な意味を持っているのです。この記事では「期待値」という言葉について見ていきます。
期待値の意味とは
期待値とは、「ある動作をして起こりうる平均値を、確率を含めて計算したもの」のことを表します。
これだけだとよくわからないですが、クジ引きで例えてみましょう。
100本のくじのうち、1本が1等賞金10万円、5本が2等賞1万円、20本が3等賞金5千円、残りの74本は外れだったとします。
この場合、1等が出る確率は1%、2等が出る確率は5%、3等が出る確率は20%です。期待値を出すには、これらの確率をすべて掛け合わせます。つまり、「クジを1本引いてもらえる賞金額は平均いくらか」という計算をします。
この計算式は次のようになります。
1/100(100000×1+10000× 5+5000× 20+0× 74) =100000×1/100+10000× 5/100+5000× 20/100+0× 74/100=2500
クジ1本を引いたときの賞金の平均値は2500円というわけです。これが期待値です。
「1本引いたら2500円が期待できる」というのは変に聞こえるかもしれませんが、あくまで確率を含めた平均値です。
一方で、「客の期待値を上げる」というように、人の期待の度合いを表した言い方をするときもありますが、これは間違った使い方です。正しい言い方は「期待を高める」です。
期待値の由来
期待値の由来については明確ではありませんが、確率論は1600年代、パスカルとフェルマーという二人の学者のやり取りから出てきました。
期待値の文章・例文
例文1.パチンコのプロは期待値を重視するらしい
例文2.予算を立案する際にも期待値の計算が大事だ
例文3.期待値の計算が間違っている
例文4.ルールが変わるとき、期待値も変化する
例文5.この賭けの期待値は1600円だ
普段耳にする期待値という言葉は、結構間違った意味合いで使われていることが多いかもしれませんね。
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期待値の会話例
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今回のビジネスモデルは革新的です。必ず爆発的な売り上げを記録すると信じています。
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期待値はどれくらいですか?
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期待値?そんなものを計算してどうするのですか?
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売り上げの期待値を計算せずに、プロジェクトを進められるわけがありません。損失が出る可能性も考えなければ。
上記のように、ビジネス界においても期待値というのは重要です。何が起こるかをしっかり見極めなければなりません。
期待値の類義語
期待値の類義語は「平均値」です。もともと期待値が「平均」という意味を含んでおり、期待値のことを「相加平均」とも言います。
期待値まとめ
期待値という言葉は普段「期待」と混同して使われているため、注意が必要ですね。