「末席を汚す」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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末席を汚す(まっせきをけがす)

「末席を汚す」とは「会合などで権力者に媚び諂う挨拶、又はそのような言葉」です。日本社会は年上に対するマナーが大変煩く、場末の会合でも一体どこの上流階級だと思わせる常識や伝統が残っていたりします。そんな堅苦しさから「末席を汚す」は年上や権力者などの会合の席で最も上手い対応や挨拶の一つで、自らを謙り相手を上に扱うとその場がやかになる不思議な言葉です。それでは「末席を汚す」の解説となります。

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末席を汚すの意味とは

「末席を汚す」の意味は以下の通りとなります。
(1)会合に出席したり仲間に加わる事を謙遜する言葉。
(2)年上や高い地位の人が集まる会合の席で、相手を立てて自分は低いと謙るやお世辞の言葉。
”末席”は「最下位の座席」「下座」「目下の者が座る席」、”汚す”は「汚くする」「不正をする」で、最下位の席に対してさらに自分が座る事で汚してしまうと謙る言葉が「末席を汚す」です。日本らしい縦社会を重んじる言葉でもあり、主に目上であり尊敬する人を立てて自分は若輩者ですと機嫌を取っています。よって、良く言うなら常識を守る・礼儀を弁える・敬意を払うですが、悪く言うならお世辞を使う・おべっかを使う・ゴマすり・機嫌取り・媚態を示す事でもあります。また、実際には「下座」に座る上での言葉となるので、目下が「上座」に座りながら「末席を汚す」と発すればそれは大変な常識知らずとなるので注意をして下さい。

末席を汚すの由来

「末席を汚す」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては室町時代の軍記物語「太平記」(14世紀後半)などに文言が記されています。

末席を汚すの文章・例文

例文1.30歳を前に退職して地元に戻り付き合いからと消防団に入ったら飲み会が多く、新人は「末席を汚しています」と挨拶をするのが礼儀となっていて、村社会の暗黙ルールにうんざりする。
例文2.今日もどこかで強欲だけが一流で能力は三流の政治家が集まり、その中の親のコネだけで生き続けた若手議員が末席を汚す事になりましたがと挨拶をしている姿を思うと、日本が世界から取り残され没落するのも納得だ。
例文3.父親の顔を立てて会合に参加し、「末席を汚させていますが光栄であります」と一応はしおらしく振る舞った。
例文4.末席を汚している気など毛頭ないのに、今の自分は媚を売る事しかできないのが歯痒い
例文5.五輪組織委員会はいびつな権力集中の成れの姿なので、権力者への諂う態度は大変煩く挨拶で末席を汚していますと言わないものなら集中砲火を浴びそうだが、肝心の開会式はポンコツで問題だらけなのは笑える。
媚び諂う挨拶「末席を汚す」を使った例文です。

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末席を汚すの会話例

  • それで、明日は夕食いらないから。地元の有力者達と食事会だから、そこで食べてくるよ。

  • いつも大変そうね。そんなお偉いさんと食事をするなんて。

  • 本当だよ。どんな豪華な食事も喉を通らない。常に気を遣って…、今時、末席を汚していますって挨拶するんだぞ。本当に俺は一体何をやっているんだって、バカらしくなるよ。

  • 大変ならそんな仕事に見切りをつけて、どこかの田舎にでも引っ越しましょうよ。

仕事の愚痴を零す夫と労う妻の会話です。

末席を汚すの類義語

「末席を汚す」の類義語には、「下座に控える」「末席に連なる」「末席に控える」などの言葉が挙げられます。

末席を汚すの対義語

「末席を汚す」の対義語はありませんが、集団のトップや権力者側は「玉座につく」「上位に立つ」「上座」「指揮下におく」などの言葉が挙げられます。

末席を汚すまとめ

「末席を汚す」は会合などに参加する際の謙った言葉で、最も目下の者が座る末席ですら謙遜して周囲のご機嫌を取っています。権力者などが集まる席での挨拶めいた言葉でもあり、「末席を汚しています」「末席を汚す事になりましたが…」と言えば権力者の顔を立ててその場は丸く収まり、自分自身も分を弁えていると一定の評価をされる、日本の不思議な恒例です。

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