本譜(ほんぷ)
「本譜」とは「将棋の棋士による対局手順、又は音楽の五線譜である楽譜」です。私のような素人からすると将棋なら「棋譜」、音楽なら「楽譜」で統一すれば良いと思うのですが、同じような意味合いの言葉が複数あるのが将棋や音楽業界ならではの慣習といったところなのでしょう。
本譜の意味とは
「本譜」の意味は以下の通りとなります。
(1)将棋用語で対局が差された手順の事。指し手通りの進行の記録。
(2)音楽用語で五線紙に書き表した楽譜の事。
「本譜」は将棋用語と音楽用語の2つの意味があります。以前は音楽用語という側面が大きかったようですが、最近は藤井聡太六冠の人気で将棋界が盛り上がっているので将棋用語としても「本譜」は注目されています。音楽の場合は楽曲の進行を記号で表した「楽譜」であり、要するに五線の上に音符で書いた「五線譜」が「本譜」となります。将棋の場合も基本的には音楽の「楽譜」と同じ考えで、2人の棋士が打ち合う対局の指し手を書き写した進行であり手順の事です。この「本譜」があるので、勝負が終わっても後から対局を振り返って「本譜ではこう打ったが、もしあの時こう打ったら…」といった風にあれこれと棋士や解説者などが模索をできるのです。この将棋の「本譜」と良く似たものが「棋譜」で、これは将棋以外にも囲碁やチェスなどでも使い手順だけでなく日時や場所といった様々な情報も加えられています。よって「本譜」をさらに詳しく追加情報を加えたのが「棋譜」ともなり、単純に手順や内容だけを見るなら「本譜」、さらに細かな情報も知るなら「棋譜」となりますが、実際にはあまり差別化されておらず同じようなニュアンスで用いられる事が多いです。
本譜の由来
「本譜」の由来は残念ながら不明で文献なども残されていません。「棋譜」の場合は将棋で日本最古とされるのは、江戸時代前期の1607年に棋士・大橋宗桂(初代)が本因坊算砂を倒した記録とされています。
本譜の文章・例文
例文1.CMから流れてきたこの曲はとても印象的で本譜がどうなっているのか気になった。
例文2.将棋が強くなりたいなら、対局後に本譜をもう一度見直す必要がある。
例文3.将棋は勝負手が勝敗を左右するが、実際には本譜を見ているとその何十手も前から布石が打たれていると思う。
例文4.彼女がピアノの前に座り目を瞑り、そこから楽譜である本譜を開いたと思ったらまるでビル・エヴァンスが憑依したような演奏を始めて、観客は思わず息をのんだ。
例文5.将棋も今やAIが本譜をデーターとして取り入れ学習しているのだから、今後はさらに将棋ソフトは強くなって素人が最強モードで勝つのは不可能に近い。
「本譜」を使った例文となります。
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本譜の会話例
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だけど、将棋も今やAIが全盛だから面白くもなんともないよ。
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そうなの?
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それはそうだよ。AIで本譜から対戦相手の情報を読み取らせ、そこからクセや弱点などの秘策を得た若手ほど有利になるからね。年を取ってコンピューターが苦手な棋士は太刀打ちできなくなって、それって本当に実力なのって勘繰るよ。
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でもそれって将棋の世界だけじゃなくて、スポーツなど勝負事は全部AIやコンピューターありきなんじゃない?
AI化が進んだ将棋の現状を嘆く会話となっています。
本譜の類義語
「本譜」の類義語には「楽譜」「音譜」「譜面」「略譜」「対局記録」などの言葉が挙げられます。
本譜まとめ
将棋や音楽用語で対局の手順を記録したものや、音楽で楽曲の音符を書いた五線譜が「本譜」です。どちらも後から見直す為に書き残すもので、将棋の場合は対局の過程が分かるので後から反省ができ、音楽なら閃いたメロディを残すという大事な役目があります。