杜撰(ずさん)
読むのも書くのも難しいこの漢字、「ずさん」と読みます。ニュースなどでもたまに使われるのでなんとなく意味は知っているという方も多いのではないでしょうか。よくニュースに出ているのは公共の橋やビルに対して「杜撰な施工」と紹介しているのをよく見ます。さて、この杜撰という言葉は一体どういう意味なのでしょうか、詳しく解説していきます。
杜撰の意味
粗雑なこと、詩や文章の出所が不確かで誤りが多いもののこと、物事がいい加減で手抜きであることを意味しています。
「杜撰な管理」というと、情報や物が雑に扱われ管理されているということ。「杜撰な施工」は配置などがいい加減で手抜きの工事が行われていたと言うことになります。
杜撰の由来
「杜」と言う漢字は、宋の時代の中国の詩人「杜黙(ともく)を表しているとされています。杜黙は詩を作る際に、詩の決まったルール、形式に捉われず自由に詩を作っていたそうです、。杜黙はそうして新しい時代を作ろうとしていましたが他の詩人たちからは「ルールに反した誤りの多い詩文」と評価されてしまいました。
「撰」と言う漢字は詩文を作ることを意味していたので、「杜黙の書くようなルールに反した誤りの多い詩文、または誤りを犯してしまう様」を表した言葉として「杜撰」と言う言葉が生まれました。
杜撰の文章・例文
例文1.彼女の書く説明書はいつも杜撰で分かりにくいと社内で噂されている
例文2.家を買ったが杜撰な工事が行われていたようで傾きや色の塗りむらが多買った
例文3.会社の個人情報の管理が杜撰なせいで情報漏洩し大きな事件になってしまった
例文4.あまりやる気がないのか彼の論文は杜撰で稚拙だと思う
例文5.あの人が杜撰なやり方で会社の経営をしているせいで社員がすぐに辞めていく
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杜撰の会話例
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せっかく土地を買って家を建てたのに、なんだこの杜撰な建築は。傾いてるし、何かと長さが足りてない部分が所々にあるぞ。
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あなた大変。3階の部屋が昨日の雨で雨漏りして床が濡れていたわ。
流石にこれは酷いんじゃないかしら? -
そうだな、今すぐ電話してなんとかしてもらおう。
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早く対応してくれないと困っちゃうわね。
杜撰な建築が行われたことを知らずに引っ越してしまった夫婦の会話になります。
杜撰の類義語
杜撰に似た言葉には「ぞんざい」や「粗雑」などの言葉が挙げられます。
他に、杜撰と同じ意味の四字熟語に「杜黙詩撰(ともくしさん・ともくしせん)があります。
杜撰まとめ
プロであっても小説も杜撰な設定、構成になることもありますし、杜撰な工事や建築が行われてしまうことが多くあります。原因は詳しく分かりませんが、知識や資金不足、時間の制限、適当でもわからないだろうと言う狡猾さなどがあるのかと思います。しかしやはり自分だけでなく人に人生に関わるような真剣にきちんとやらなくてはいけない物ならば杜撰にせずしっかりとやっていただきたいものです。