杯中蛇影(はいちゅうのだえい)
些細なことであっても、一度気になり始めてしまったら何も手につかなくなるという人はいませんか。例えば、家の鍵はちゃんと閉めたか、ガスの元栓は閉めたかどうかなどです。何事も気にし過ぎはよくないとは言いますが、どうしても気になってしまうことってありますよね。「杯中蛇影」という言葉があるのですが、この言葉の由来となったある人物も、そんな「気にし過ぎてしまう」人の一人です。そこで今回は、「杯中蛇影」という言葉について詳しく解説していきたいと思います。
杯中蛇影の意味
「杯中蛇影」とは、「疑いの気持ちが強過ぎて、ごく小さな気がかりであってもそれが気になり過ぎる、精神を病んでしまうこと」を意味します。
「病は気から」とは言いますが、インフルエンザが流行している時期に少しでも体調を崩すと、「自分はインフルエンザにかかってのではないか」と心配になり、どんどん体調が悪くなっていっているように感じますよね。しかし、いざ医者に診てもらい、ただの風邪だと言われた途端に、一気に体調が良くなったように感じることってありますよね。
杯中蛇影の由来
「杯中蛇影」の「杯中」とは、杯(さかずき)の中という意味で、「蛇影」とは字の通り「蛇の影」です。
この言葉の由来となったのは、
「昔ある男が杯の中の水を飲んだ際に、杯のそこに蛇のようなものが見えて、自分は蛇が入った水を飲んでしまった=毒を飲んだと思い込み、病気になってしまいました。
しかし、後から分かったことで、それは弓矢の矢の影が杯の底に映っただけだった。」
という話です。
杯中蛇影の文章・例文
例文1.杯中蛇影で家族までもが怪しく見えてきた。
例文2.杯中蛇影と言うように、一度気になってしまうと他のことが手につかなくなる。
例文3.杯中蛇影とは言うが、何事も気にし過ぎはもよくない。
例文4.彼女は杯中蛇影で短かな友人までも疑い出した。
例文5.彼は杯中蛇影になりSNSを封鎖してしまった。
最近はSNSを見て、杯中蛇影になり過ぎてしまう人たちが多いですね。
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杯中蛇影の会話例
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最近、僕の財布から誰かがお金を盗んでる気がするんだ。
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気がするってどういうこと?
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だって、お金が全然貯まらないんだよ!これおかしいよね。
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そんな杯中蛇影になり過ぎないで、まずは自分の支出を見直してみなよ!
なぜかお金が貯まらないのはあるあるですね。まあ、十中八九無駄遣いが原因なんですけどね。
杯中蛇影の類義語
「杯中蛇影」の類義語には「疑心暗鬼」や「風声鶴唳」などが挙げられます。
杯中蛇影まとめ
今回は、「疑いの気持ちが強過ぎて、小さなことを気にして病んでしまうこと」を意味する、「杯中蛇影」という言葉について解説しました。
広い範囲に気を配ることは素晴らしいことですが、不要なところまで過剰に気にしてしまうと、あなたの負担を増やしてしまうだけです。最近では、SNSが発達し過ぎたことによって、「嫌われているかも」という思い込みで、実際にその人と距離をとってしまうという人も多いそうです。現代の若者も大変なんですね。