栄枯盛衰(えいこせいすい)
全ては栄えることと衰えることを繰り返します。人間が生まれて成長し、ある程度年数がすぎると老年に向かって、死を迎えます。人気が出てきても、絶頂期の後は下降するのが世の中の流れです。栄枯盛衰とはそんな世の中の流れを見つめた言葉であり、全ての事柄が栄えて衰えるを交互に繰り返していく世の中を、儚く思う言葉なのです。ここではそんな栄枯盛衰の言葉の意味や由来について詳しく見ていきます。
栄枯盛衰の意味とは
栄枯盛衰(えいこせいすい)とは、栄えたり衰えたりすることをいいます。栄えることと衰えることを繰り返していく、世の中の儚さをいう言葉です。人気が高いものなども、徐々に人気が衰えていきますし、大国もやがて滅びていきます。全ての事柄に置いて大きな波があり、良いことも悪いことも逃れられず、何も変わらないまま存在しているということは無いということです。
栄枯盛衰の由来
「栄枯」という文字は草木が茂っている様子と枯れてしまうことを表現しています。また「盛衰」も盛り上がった様子と衰えていく様子を表現した言葉です。古くは鎌倉時代に登場した「平家物語」に登場しています。急な上下ではなく、長い年月をかけて変わっていく様子を表した言葉なので、建物や世論の変化などに使われることのほうが多いのが特徴です。
栄枯盛衰の文章・例文
例文1.国の栄枯盛衰を見てきた一族です
例文2.人の世は栄枯盛衰・因果応報で繰り返されている
例文3.一族の栄枯盛衰の中に、世の無常が見える
例文4.栄枯盛衰の儚さを、身を持って知った
例文5.栄枯盛衰の世の中だからこそ、助け合えたらいいな
物事が変化していくという意味合いで使うことが多い言葉です。また良くも悪くもなる人生も意味しています。そのためか例文5の様に使う人はあまり多くありません。
栄枯盛衰の類義語
栄枯盛衰の類語には「国破れて山河在り」や「盛者必衰」があります。どちらも栄えたり衰えたりを繰り返す言葉です。同時にその繰り返しを冷静に分析した言葉と言えます。儚い人生を嘆くでもなく、受け入れる心を表しています。
栄枯盛衰まとめ
「栄枯盛衰」という言葉には、前向きさもありませんが、後ろ向きさもありません。栄えて衰えるという当たり前の流れを、冷静に見据えて受け入れている言葉です。ただそんな中に儚さや、無情さを見て取ることはできます。良い方向と悪い方向を繰り返すということは、いずれ自身も同じ様に悪い方向に向かう、ということでもあります。言葉から取れる悟りの形は、嘆く必要はない、誰もが平等に昇り詰め下っていくのだという言葉に等しいといえるでしょう。