「棚に上げる」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

B!

棚に上げる(たなにあげる)

「棚に上げる」とは「自分の悪い点は黙認しながら相手の欠点は非難する事」です。自分が遅刻したのに相手の遅刻には厳しく注意するなどが「棚に上げる」で、大人や上司が子供や部下などに思わずやってしまう思い上がりからの態度となっています。それでは詳しい解説に入らせて頂きます。

[adstext]
[ads]

棚に上げるの意味とは

「棚に上げる」の意味は以下の通りとなります。
(1)自分に都合の悪い事は目を背け、また他人は平気で非難する事。
(2)自分の悪い点は知らん顔して問題にしない。自分に取って不利や欠点は触れない。
(3)「棚へ上げる」や「自分を棚に上げる」も同義。
”棚”は「物を乗せる為に板を横に渡したもの」「植物のつるを広く這わせる為に木を組む事」「岸壁の段となる場所」など、”上げる”は「その場所を高い所で動かす」「高い方へ移す」「好ましい結果」「程度を高める」「揚げ物料理」「物事の終わり」などで、自分の問題点は一旦脇に置いたり、或いは無かった事や敢えて話題にはしないのが「棚に上げる」です。例えば、自分の成績も悪いのに同じく成績が悪い友人にダメ出しをしたりする事で、要するに狡賢いというかセコイ性格とも受け取れます。冗談半分でやる分にはある種のお約束めいた突っ込み待ちの行為ですが、中には本当に悪気もなく「棚に上げる行為」が常態化している人達もいて、その代表は政治家や権力者ではないでしょうか。自分達の不祥事は「棚に上げて」、与野党を問わずに相手の党の問題点ばかりを指摘するのは滑稽となっています。ですから、己の悪い点がありながらも黙っているのが初期段階とするなら、自分のは無しにして相手ばかりを糾弾や非難するのが最も悪質な最終段階の「棚に上げる」となります。

棚に上げるの由来

「棚に上げる」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては室町時代の抄物「玉塵」(別名:玉塵抄、1563年)などに文言が記されています。

棚に上げるの文章・例文

例文1.お笑い芸人やタレントはワイドショーで自分達の不祥事は棚に上げて、平気で相手を批判するのだからその自己中な感性には開いた口が塞がらない
例文2.全く勉強をしない息子の注意をしようとしたが、部屋の前まで行き、そう言えば子供の頃は自分もしなかったと思い出し、自分を棚に上げているなと改め引き返した。
例文3.新年が近付くと、今年もろくな事がなかったのは一先ず棚に上げて、来年は少しだけは良くなると期待をしながらも悲惨な現実が急ピッチで迫ってくる事を知る由もない。
例文4.日本国家の策略は税収不足は全て国債で賄うので、後はどれだけ棚に上げたまま放置するかの我慢大会をいつまで開催し続けるかという点だけだ。
例文5.妻は何かと生活の不満やパート疲れを言い訳として棚に上げ、日常の家事を殆どしなくなり困ったものだ。
自らの欠点や問題点を無かった事として「棚に上げる」を使った例文です。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

棚に上げるの会話例

  • 最近はお酒の量が多いんじゃない? 体を悪くするから、少し控えないと。

  • そうね。最近は飲みすぎねって…、ちょっと! 自分の方が飲みすぎじゃないの? 毎日浴びるように飲んで。

  • あれ、そう? これってもしかして、自分を棚に上げている状態じゃない?

  • 本当よ。もしかして、酔っているの?

お酒好きが大好きな夫婦のボケとツッコミの会話となります。

棚に上げるの類義語

「棚に上げる」の類義語には、「放置」「口を拭う」「言行相反」「学者の不身持」「医者の不養生」などの言葉が挙げられます。

棚に上げるの対義語

「棚に上げる」の対義語には、「けじめをつける」「過ちて改めざる是を過ちと謂う」「己の頭の蠅を追え」「人に七癖我が身に八癖」「人の振り見て我が振り直せ」などの言葉が挙げられます。

棚に上げるまとめ

「棚に上げる」は自らの欠点などは知らん顔をするという意味ですが、特にそれでも人の欠点はずけずけと指摘や非難する様から「自分を棚に上げる」と使われる事が多いです。自分の悪い点はさておき、それでも相手の欠点は気になって物申したくなるのでしょう。

最新の記事はこちらから