槐安の夢(かいあんのゆめ)
人生を数十年も生きると毎日は同じ事の繰り返しで、それどころか子供の頃に夢見た将来とはあまりにもかけ離れ、いっその事全てが夢だったら良いのに…と思った事ってありますよね。大人なら誰しも、多かれ少なかれ現状に不満があるので、せめて夢の中だけは願望が全て叶うと期待しても、目が覚めると辛い現実が待っています。そんな夢すら否定する「槐安の夢」についての解説となります。
槐安の夢の意味とは
「槐安の夢」の意味は以下の通りとなります。
(1)儚い夢。虚しい。儚い栄華や栄光。栄枯盛衰。
(2)人生は儚い。人が生きる事は虚しい。人生はあっけない。
(3)中国の有名故事から、栄華を極めたが実は全て夢だった事から転じて、人生は儚いもの。
(4)別名「南柯の夢」とも言われ、「槐夢」「邯鄲の夢」など全て同義となる。
”槐安”は古代中国の伝記上の国「槐安国」、”夢”はそのまま夢なので、二つを合わせて上記の様な儚い夢や虚しいといった意味を持つ言葉となります。さらに詳しく解説すると、「槐安の夢」は中国唐時代の有名な物語を後に故事や諺にしたもので、その中身は、唐時代のある青年が酒に酔い潰れ眠ってしまうと、そこは槐安国で王の娘と結婚し栄華を極めるという信じられない成功を収めます。しかし、これは単なる夢の出来事で、目が覚めると蟻の穴の中というオチがあります。そこから、大勢にとって栄光は夢の中だけ、人生は儚く虚しい、良い時はあっけなく終わる、また単なる夢という表現や喩えとしても使われます。また、現在の日本の漫画や小説などで取り入れられる手法「夢オチ」を最初に使った物語でもあります。
槐安の夢の由来
「槐安の夢」の由来は、中国唐時代の伝奇小説「南柯太守伝」となります。
槐安の夢の文章・例文
例文1.宝くじが当たればいいなという僅かな希望を糧に生きているが、宝くじすらも幻であり槐安の夢となりそうで最近は怖い。
例文2.大病を患い入院すると、初めて退屈な日常すらも槐安の夢の様な贅沢な日々だったと実感した。
例文3.大好きな彼女と結婚できたのは未だに夢ようで、槐安の夢なら覚めないでくれと毎日願う。
例文4.酒浸りに愛想をつかされ妻と子供が出て行ってから、これまでは槐安の夢だったと一日一日を切に感じるようになった。
例文5.豪雨被害で住宅が流されるニュースを見ると、住民の悲しい叫びと大自然の猛威が非現実的で槐安の夢に思えてならない。
儚いや虚しいといった意味で「槐安の夢」を使った例文となります。
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槐安の夢の会話例
そろそろボーナスの見通しが出るね。
ボーナスって、今期は難しいみたいですよ。
えー嘘でしょう。難しいって、全額カット? ボーナスだけが楽しみで働いているのに。
今はどこもコロナで減収減益じゃないですか。槐安の夢だったと、今回は諦めて下さい。
職場の男女がボーナスカットについて会話を繰り広げています。
槐安の夢の類義語
「槐安の夢」の類義語には、「邯鄲の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」などの言葉が挙げられます。
槐安の夢まとめ
「槐安の夢」とは、栄華を極めたのは全て夢の中の出来事という古代中国の有名物語から、転じて、人生は儚いや虚しい、栄枯盛衰といった意味を持つ言葉です。要するに、良い事は夢の中だけで、それも目が覚めたら厳しい現実が待ていると解釈ができ、それぐらい人が生きるのは儚いものなのです。