横紙破り(よこがみやぶり)
「横紙破り」とは「人のやり方や一般的な方法では満足出来ず、自己流を無理に押し通す事」です。端的に言うなら団体行動が向かない個性的な人で、世に出て活躍する有名人などはこの手のタイプが多いですが、当然ながら同じようなタイプでも失敗だらけで終わってしまう人も大勢います。一発逆転を狙い人生はゲームだとするなら「横紙破り」な生き方を選び、安定や堅実を選択するなら集団に合わせて人の意見に従う方が無難でしょう。それでは解説に入らせて頂きます。
横紙破りの意味とは
「横紙破り」の意味は以下の通りとなります。
(1)自分の思った通りに無理を押し通す。
(2)普通のやり方には従わず、自己流を無理に押し通す。
(3)和紙はすき目が縦に入り横には破りにくい事から、転じて、我を通す人の事。
”横紙”は「すき目が横に通る紙」「紙のすき目を横にして使う」、”破り”は「引き裂く」「状態を損なう」「背く」「傷付ける」で、所謂常識に反して自己流で挑むや押し通すのが「横紙破り」です。よって、良く言えば周囲に影響されず一本気があるや、妥協を許さないなど成功者が持ち得る強い拘りを感じさせますが、悪く言うなら頭が固く強情っぱり、周囲と調和が取れないはみ出し者ともなります。「このようにしろ」と説明を受けた普通のやり方では満足できず、自己流が正しいと思い込むので、扱い辛い頑固者というニュアンスが最も近いかも知れません。
横紙破りの由来
「横紙破り」の由来は残念ながら不明です。文献としては、文芸評論家・河上徹太郎の著書「私の詩と真実」(1953年)などに文言が記されています。
横紙破りの文章・例文
例文1.友人が寿司屋でタバコを吸おうとしたら、当時の彼女から横紙破りと呆れられた思い出話を語り出した。
例文2.大成する人は着眼点や発想力が違うので横紙破りな性格になりがちだが、日本という閉鎖的な村社会ではそれを押し通すのは困難でどうしても芽を摘まれる。
例文3.可愛さのあまり我が子には好き勝手を容認し自由に育てたが、その結果は同級生に卑劣なイジメばかりを繰り返して教師には反抗をする横紙破りな異端児になってしまった。
例文4.帰国子女な彼女は横紙破りをするのが個性と、空気を読まずに自由気ままにしていたらそれがSNSで受けて途端に人気者になったが、当然ながら実力も無ければ飾りの個性しかなく、数年後には誰も話題にすらしなくなった。
例文5.アニメと声優好きの保守派が日本最高と声高に主張するが、本来は地下に隠れる秘密結社で横紙破りのような存在だったのに、いつのまにか日本を代表する正義として批判する者を反日とネットで暴れ回るが、結局は強烈なキャラ災いし表舞台には出てこれない。
自我が強いといった意味合いで「横紙破り」を使った例文です。
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横紙破りの会話例
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設計士が泣いていたぞ。どうして、そんなに無理な注文をするんだ。
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だって、やっと家を改築できる事になったのよ。少ない予算であれこれ注文をお願いするのは当然でしょう。
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そうだけど、モノには限度っていうものがあって…。とにかくあんまり無謀なお願いばかりすると、俺まで迷惑な客と横紙破りなレッテルが貼られるから勘弁してくれよ。
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どうせ私は変わり者ですよ。でもあの設計士、私に気があるわよ。目つきがイヤラシイもの。
住宅リフォームする事になった夫婦の会話です。
横紙破りの類義語
「横紙破り」の類義語には、「強引」「ごり押し」「無理強い」「牽強付会」などの言葉が挙げられます。
横紙破りの対義語
「横紙破り」の対義語には、「折り目正しい」「慎重」「礼節をわきまえる」「謹厳実直」などの言葉が挙げられます。
横紙破りまとめ
「横紙破り」はすき目が縦に入る和紙から、自分が思った事を強引に押し通すや人の意見よりも自分のやり方を貫くという意味合いの言葉です。それだけ頑固者であり自我が強く、そのお陰で成功する事もあれば当然悪くなる時もあるので、単に扱い辛い人とも解釈できます。