正直ベース(しょうじきべーす)
「正直ベース」とは「真面目やストレートという意味合いの”正直”を強調した、取引先などに本音で語る際の枕詞的なビジネス用語」です。営業などの仕事をしていると、自然とその業界や業種ならではの独特な言葉を使ってしまいがちになります。それが新人とかにすると理解不能に思うそうですが、慣れてしまうと大変便利であるのも事実です。今回はオジサンが大好きなビジネス用語の代表的存在である「正直ベース」で、もうこれだけでお客さんに胡麻を擂っているシーンが想像出来てしまいます。
正直ベースの意味とは
「正直ベース」の意味は以下の通りとなります。
(1)「正直に申すと」「正直なところ」「嘘偽りなく」「本当のところ」といった意味で使われるビジネス用語。
(2)「ベース」をカットした「正直」だけでも基本は同じ意味だが、ビジネス用語では「〜ベース」という言葉を使う中高年が多いので、より「正直」を誇張して「嘘はありません」「絶対に本当です」といった表現となる。
”正直”は「嘘や偽りがない」「誤魔化しがない」「本当」「錘を使った傾きを調べる道具」、”ベース”は英語「base」から「基礎」「基本」「基地」で、文字通り取ると「基本が正直」「正直を基準」となり、要するに嘘を吐いていないと強調しているのが「正直ベース」です。ビジネス現場では昔から「情報ベース」や「賃金ベース」、他にも経済用語では「ベースマネー」「ベースアップ」「ベースポイント」などの「〜ベース」や「ベース〜」といった言葉が何かと使用されていて、その流れから誕生したとされるのが「正直ベース」です。一種の口癖や流行り言葉のようなものがそのまま定着したと思われますが、営業先での取引相手や上司などにも「正直ベース」はかなり使われているので、20代の令和世代でも知っている人が多いと思われます。前記したように「正直」だけでも意味は同じなのですが、本当に正直に話している場合に「正直ベース」と使う人が多く、逆に言うなら営業マンが「正直ベース」と価格を提示した後に、さらに価格を下げるとさっきの価格は一体何だったんだとなるので、その点は注意が必要になります。
正直ベースの由来
「正直ベース」は2003年頃に登場した言葉とされ、その後はあまり注目をされる事もありませんでしたが、2012年6月30日に放送されたNHKのバラエティ番組「サラリーマンNEO ゴールド」の戦国サラリーマン・ヒデヨシというコントコーナーのテーマが「正直ベースの戦い」で、それがちょっとした共感を呼びサラリーマン達の間で浸透したと言われています。
正直ベースの文章・例文
例文1.商談が膠着してきたので、ここは思い切って正直ベースで物を申して相手の懐に入った方が良い気がしてきたが、隣に座る課長はまだ早いという顔なので反発しないで従っている。
例文2.もう仕事にはウンザリなので正直ベースでは一刻も早く退社をしたいが、まだ先行き不安から我慢をしている。
例文3.部長が朝礼で、「…でありますから、正直ベースで我が社はとても苦しい状況です」と言ったので、これで今期もボーナスが期待できないと察した。
例文4.某バンドがアンコール前にボーカルがファンに向かって雑談を始め、「えー、いきなりですが、正直ベースで言わせてもらいます。我々は今日で解散する事にしました」と突然発表したら、メンバーもファンも驚きすぎてまったくの無反応だった。
例文5.こちらの見積もりは正直ベースですので、これ以上の値下げは限界です。
「正直ベース」を使った例文となります。
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正直ベースの会話例
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うーん、相手も渋っているかー。分かった…。
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課長、向こうはうちと他社の見積もりを出させて価格を下げさせる狙いなのは明白です。もう正直ベースで一気に下げて交渉するしかないと思いますが…。
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正直ベース…、正直ベースか…。よし、あと5パーはギリギリいけるよな。それで見積もりを出してくれるか。
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ありがとうございます。これで向こうも納得するでしょう。
営業部の上司と部下による見積もりやり取りの会話内容です。
正直ベースの類義語
「正直ベース」の類義語には「お願いベース」「ぶっちゃけベース」「本音ベース」などの言葉が挙げられます。
正直ベースの対義語
「正直ベース」の対義語はありません。補足として「正直」の対義語は「不正直」「不直」「不誠意」「不誠実」、「ベース」の対義語は「応用」「適用」「工夫」などになります。
正直ベースまとめ
正直であると強調したビジネス用語が「正直ベース」です。お客さんとの価格交渉、見積もりの提示等々の場面で特に使われ、「正直に申し上げて」「本音を言いますと」などの意味合いで中高年男性が好んで使用する事から、若い社会人からはオッサンビジネス用語と揶揄されたりもしています。