歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
「歯に衣着せぬ」は、相手に遠慮せずにハッキリ物申す際に使われる言葉です。もちろん状況次第ですし、相手との信頼関係などもあるでしょうが、大人しい性格が多い日本人にとっては、少し憧れている人も実は多いのではないですか? その一方、最近はこの様な性格を「空気が読めない」ともなるので、受け止め方はそれぞれとなりそうです。では、「歯に衣着せぬ」の説明となります。
歯に衣着せぬの意味とは
「歯に衣着せぬ」の意味は以下の通りとなります。
(1)自分が思った事を素直に隠さずに言う。本音をズケズケ言う。
(2)言われる相手の気持ちを考えず、自分の感情や思った事をそのまま伝える。
(3)相手を気にせず、また自分もどう思われようが気にせず、その時に感じた事を包み隠さずに述べる。
(4)別表記「歯に衣着せず」。
上記はどれも同じような意味ですが、要するに相手の感情やこれを言ったら自分の立場がどうなるかなどまったく気にせずに、その時に思った事を素直に言う事です。場合によっては、ズケズケとした表現にもなりますが、普通の大人は本音と建て前を使い分けるものなので、逆にここまでハッキリ申し上げると好かれたり感謝される事も稀にあります。端的に言うと、ハッキリと申すのが「歯に衣着せぬ」となります。
歯に衣着せぬの由来
「歯に衣着せぬ」の由来について詳細は不明ですが、”衣”は洋服で当時の着物を指しています。その事から”歯”に”衣”(着物)がないので、口を隠している訳ではないとなり、何でもハッキリ言うと解釈できます。中国語の諺に「歯に衣着せぬ」はないので、日本で誕生した諺と推測できますが、詳しい背景や詳細などは分かりません。
歯に衣着せぬの文章・例文
例文1.付き合いが長くなると、それが彼女であれ友人であれ、互いに何でもハッキリと歯に衣着せぬ関係に変化するものだ。
例文2.歯に衣着せぬ、互いに分かり合っていると思われた仲良し夫婦が離婚をした。何でも言い合う関係も行き過ぎるのは考え物だ。
例文3.子供の頃はおしゃべりで、親戚の叔父さんなどに歯に衣着せぬで好き勝手で自由な甥っ子と揶揄されたが、高校生になると途端に無口になったのも、今は良い思い出だ。
例文4.毒舌で歯に衣着せぬコメントが売りな評論家も、自分に不都合な話題になると途端に黙り、歯切れが悪くなるので、それを見ているのが面白い。
例文5.政治家も普段は歯に衣着せぬ軽口を叩くが、選挙が近付くと途端に落選が怖くなり、普通なことしか言わなくなる。
「歯に衣着せぬ」を使ったよくある例文パターンです。
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歯に衣着せぬの会話例
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普段は大人しいのに、お酒を飲むと途端に喋り出す人っていますよね!
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げっ! 私の事だ。
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普段はあまり喋らないんですか?
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職場ではそんなに無駄口叩かないでしょう。でも、飲み会とかになると、急に饒舌になり、歯に衣着せぬ感じになるんだよね。自分ではあまり覚えていないから、翌日皆に揶揄われて大変!
普段は静かだが、飲み会になると「歯に衣着せぬ」感じになると自覚する女性との会話です。
歯に衣着せぬの類義語
「歯に衣着せぬ」の類義語には、「辛辣」「直言居士」などの言葉が挙げられます。
歯に衣着せぬまとめ
「歯に衣着せぬ」は、相手の事などお構いなしで好き勝手に思ったまま言う、ズケズケとハッキリ言うなどの意味がある諺です。子供の頃はこのような性格でも大人になると、段々と余計な事は言わなくなるものですが、中には素面でもこんな性格の人がいます。あまり歓迎される性格ではないですが、稀にハッキリ言って感謝される事もありますし、飲み会などでは面白さも相まって喜ばれる事もあります。