気が置けない(きがおけない)
「気が置けない」とは「遠慮などが不必要な信頼関係が成立している事」です。友達など仲が良い関係は「気が置けない」となりますが、最近は誤用であり反対の遠慮などが必要な信頼関係が不成立でも「気が置けない」と使われがちです。もちろん本来あるべき正しい意味を覚えるべきですが、世間ではまかり通っている誤用をその都度で指摘するのも空気が読めないとなるので、ある程度は寛容に双方を覚えておくべきでしょう。
気が置けないの意味とは
「気が置けない」の意味は以下の通りとなります。
(1)信頼できる間柄の関係性。信用できる相手の事。
(2)遠慮したり気遣う必要がない打ち解けた人の事。
(3)正確には間違いだが、「〜ない」は否定表現として不信感からの気を遣うや遠慮する人の事。
「気が置けない」は正しくは上記のように「信頼できる相手」「親しい人」「打ち解けた人」への表現となります。要するに「気が置ける」は「信頼しない」「親しくない」「打ち解けられない」という意味なので、それの否定をする形が「気が置けない」です。よって、気を遣ったり遠慮をする必要がない友人・兄弟・家族などに対する親密度を表しています。しかし、昨今は「気持ちを(そこに)置けない」と否定と受け取る人の方が多く、ネガティブ感情からの「緊張する相手」「気を遣う人」「神経を使って疲れる」と解釈されています。本来は誤りなのですが現在はこのように使用される事も増えているので、誤用と頭から否定をせずに両方の意味があると理解すべきでしょう。
気が置けないの由来
「気が置けない」の由来は残念ながら不明ですが、文献では「気の置けない」で明治時代の小説家・田山花袋の著書「時は過ぎゆく」などに文言が記されています。
気が置けないの文章・例文
例文1.居酒屋のテーブル席に座ると、隣の両腕にタトゥーを入れた半グレのような輩が「気が置けない仲間と成長する」と少年ジャンプのようなセリフを吐いて盛り上がっているので、思わずギャップからビールを吹き出してしまった。
例文2.友人数人とキャンプに出掛け、夜になって酎ハイを飲み干した1人が陽気に「都会を離れ気が置けない奴らと自然を満喫できて最高」とご機嫌だが、翌朝財布が無くなる騒動が起こるとは誰も予想しなかった。
例文3.テレビ画面越しではアイドルグループは夢を共有する気が置けない間柄に見えるが、実際は楽屋もスタジオ出入りも全て別でビジネスだけの歪な関係だが、ファンだけは仲良しと大興奮する。
例文4.学生時代はどんなに気が置けない最高の友と思っても、卒業をすれば憎き過去を思い出させる刺のような痛みで、絶対に関わりたくなくなる。
例文5.街中を歩いていたら突然二人組に声をかけられ、なぜか意気投合からの飲み会やキャンプなどをする関係になってすっかり気が置けない大切な存在になったら、偉い人を紹介すると誘われ今では自分も積極的に声掛けをして会員を増やしている。
「気が置けない」を使った例文となります。
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気が置けないの会話例
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財布出しっぱなしだよ。
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大丈夫。そんなに入っていないから。
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そうじゃなくて、俺達知り合って時間も経っていないし。気を付けないと危ないって。
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優しいのね。でも、もう気が置けない関係じゃない私達?
知り合って間もない男女の会話となります。
気が置けないの類義語
「気が置けない」の類義語には、「気が合う」「信頼する」「気が許せる」「気兼ねない」「フレンドリー」「親しい関係」「打ち解ける」「仲良し」などの言葉が挙げられます。
気が置けないの対義語
「気が置けない」の対義語には、「気が抜けない」「気を許さない」「油断できない」「油断ならない」「気を付ける」「ゆっくりできない」「足下をすくわれる」などの言葉が挙げられます。
気が置けないまとめ
「気が置けない」は信頼や信用する相手への言葉で、遠慮や気を遣う関係性ではない事です。よって、家族や友人などの信用が成り立ち心が打ち解けている場合に「気が置けない」となります。しかし、近年は心が打ち解けていない不信感を抱く場合でも「気が置けない」とする誤用がまかり通っているので、その都度でどちらの意味か察する必要があります。