気勢(きせい)
｢気勢｣とは｢強い意気込みや気持ちから元気溢れる様子｣です。心の中に秘めた強い感情を｢内なる炎｣として、人には見せない思いは実に日本人らしいですが、これでは周囲から気持ちを察するのは難しいところがあります。逆に今回の｢気勢｣は誰が見ても意気込みが感じられるので、第三者的な立場からも｢気勢をあげる人｣が分かります。
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気勢の意味とは
｢気勢｣の意味は以下の通りとなります。
(1)何かをしようと意気込んだ気持ち。
(2)盛んな意気。生気。元気。
(3)株式取引などの相場の活気や勢い。
｢気勢｣は｢気持ちの勢い｣となり、非常に強く意気込んでいる気持ちとなります。何かの目的を達成する為に物事に積極的に取り組む姿勢や心構えで、要するに気合・生気・気力的な言葉と同義扱いです。それではどの点が違うかというと、｢気勢｣は｢元気の勢い｣ともなるので、周囲から見ても気合が入っていると分かる状態ではないでしょうか？ 例えば、スポーツで得点が入ってチームの仲間やファンが大声で盛り上がり鼓舞するような状態です。それは静かで内なる気合とは真逆で、明らかに雰囲気が変わるような熱を感じられます。使い方としては｢気勢をあげる｣｢気勢をそがれる｣｢気勢が高まる｣といった形が定番です。また、株式などの投資取引でも例えば前日に経済に悪影響を与える報道がされると、取引開始前の注文数の情報である｢板｣に売り注文が殺到する勢いを｢(売りの)気勢｣と言いますが最近はあまり使わず、単に｢売り気配が殺到｣や｢ストップ安気配｣といった風になります。もちろん好材料からの高騰する気配でも｢気勢｣とします。
気勢の由来
｢気勢｣の由来は残念ながら不明ですが、文献としては室町時代の抄物｢玉塵抄｣などに文言が記されています。
気勢の文章・例文
例文1.汚染水の海洋放出が決まり政権と支持者が気勢を上げて喜んだが、次は巨大利権がうごめく原発再稼働と新規建設の着工ともう既に賽は投げられ誰が反対しても無意味で、支持者と反対派の頭上には仲良く放射能物質だけがキラキラと輝きを放つ。
例文2.得点を決め同点に追いついた数分後、相手チームのエースが立て続けに得点を決めてしまいファンの気勢はすっかり削がれてしまった。
例文3.漫画が人気になるとアニメ化され、アニメが人気になると実写映画化され、量産型俳優陣が多数出演する子供向けの壮大な作品が完成すると、アニメファンは原作を冒涜していると激しい気勢を見せて抵抗するが、大勢のアイドルファンが足繁く映画館に通って、またひとつ映画ファンを悲しませる駄作が歴代興行ランキングの上位に食い込む快進撃を見せる。
例文4.ウォッカを飲んだ敵国兵士団が泥酔状態で攻め込んでくれば、先進国から提供されたキンキンに冷えたビールと最新兵器で武装した自国の兵士団が徹底抗戦をして、相手を倒しては興奮から気勢をあげるが、この不毛な戦いはウォッカが切れても続けるのだろうか？
例文5.自身が所属するアイドル事務所が歴史に刻むような性加害事件を隠蔽していても、タレントは能天気にテレビに出演し続け気勢をあげて喜び満面の笑顔を見せているのだから、これは薬の遊びすぎで頭のねじが外れているのか自分には関係ないと無関心なのか、それとも恐怖心の裏返しなのか秘密のドアはまだいくつも隠されていそうだ。
｢気勢｣を使った例文となります。
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気勢の会話例
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来週から近所の学校が一斉に運動会シーズンなんだよ。頭が痛い…。
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別にいいじゃないですか？
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○○さんは運動会を舐めているよ。朝早くから花火を打って気勢を示し、周辺道路は朝と夕方は渋滞し、コンビニやスーパーも売り切れて品不足。そんな学校が何校も近くにあるんだよ。どうしてこんなところに引っ越してきたんだろうって自分を呪うよ。
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どうせ家賃が相場より安いって喜んで、周辺の事情も気にせずに決めたらそんな事情があったって事ですよね？
マンション近くに学校がいくつもあり、運動会の時期は不便だと文句を垂れています。
気勢の類義語
｢気勢｣の類義語には｢活動力｣｢精力｣｢気力｣｢精根｣｢エネルギー｣｢エネルギッシュ｣｢活動的｣｢活発｣などの言葉が挙げられます。
気勢の対義語
｢気勢｣の対義語には｢消沈｣｢気落ち｣｢病気｣｢病弱｣｢がっかり｣｢失望｣｢落胆｣｢失意｣｢意気消沈｣などの言葉が挙げられます。
気勢まとめ
物事を成し遂げようと非常に意気込みがある状態が｢気勢｣です。簡単に言えば｢元気がある｣となり、はたから見ても気合が入っていたり、気持ちが全面に出ていると感じられます。また、広い意味では投資家の心理が表れている株取引などの相場での勢いを｢気勢｣とも言います。