水を差す(みずをさす)
「水を差す」とは「良好関係に対して、第三者が邪魔したり横槍を入れる事」です。気になる異性が誰かと楽しそうに会話をしていたら、焼きもちからその間に割り込む人っていますよね。これが典型的な「水を差す」ですが、相手が迷惑をすると省みずに己の欲求だけを満たす行為ともなります。された方は迷惑ですが、これも性格によって直接文句を言えない場合もあるので、そうなると邪魔をしているにも関わらず歓迎をされていると誤解をする事もあり、複雑な人間関係ならではの微妙な心理が影響を及ぼします。そんな「水を差す」についての解説となります。
水を差すの意味とは
「水を差す」の意味は以下の通りとなります。
(1)邪魔をする。横槍を入れる。
(2)人の話や行動に対して、第三者が横から口出しなど妨害や邪魔をする事。
(3)仲のいい者同士やうまく進行している事を邪魔や乱して、関係悪化や支障するように計る。
(4)味が濃い物や熱い物に水を加えて薄くする。
「水を差す」は文字通り”水”を何かに注ぎ入れる事で、例えば味が濃い料理に入れて中和させる等です。しかし、実際には良好な関係を邪魔するなどで「水を差す」と使われるのが一般的です。部外者であるにも関わらず、あれこれと口出しをしたりと干渉する事で妨害をしているのです。その一方でニュアンスとして難しいのは、本当に悪意を持って徹底的に邪魔をしてやろうと思ったのか、それとも多少の口出しをしたつもりが思わぬ方向まで事が運んでしまったのか、という点です。要は、そんなつもりじゃなかったのに結果的に「水を差す事」になったというケースも非常に多いからです。よって、邪魔や横槍もどの程度かによるところが非常に大きく、多少の「水を差す」なら良好な関係が壊れる事もないでしょうし、或いは限度を知らないような邪魔をされたら許せる器量を持ち合わせられないものです。このような”邪魔”や”横槍”以外でも、経済などで悪影響を「水が差す」とする使い方もあります。例えば、コロナが経済の景気回復に「水を差す」や、原油高が家計に悪影響を与え消費者の購買意欲に「水を差す」や「水を差す恐れ」といった形です。まとめるなら、受け手が迷惑と感じれば「水を差す」「水を差された」と大半で使えます。
水を差すの由来
「水を差す」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては室町時代発祥の短詩「俳諧」の「新続犬筑波集」(1660年)などに文言が記されています。
水を差すの文章・例文
例文1.職場で同期女性と世間話をしていると必ず同僚が間に入ってくるが、多分彼は彼女に気があるので私を気に入らず、自然と水を差す行為に及ぶのだろう。
例文2.バラエティ番組を観ていると、お笑い芸人が水を差すような事ばかりをしているのでイライラしてくる。
例文3.飲みも席でも上司の会話には「水を差して申し訳ありませんが…」、と言ってから入るようにしている。
例文4.メッシのバルセロナ退団で世界は混乱しているが、その話題に水を差すようだがヴィッセル神戸が大物日本人選手をどんどん補強している。
例文5.知り合い数人が会話をしている場に自分が遅れて入ると、まるで
水を差しているように思われたくないので、どうしても口数が少なくなり遠慮してしまう。
邪魔をするとして「水を差す」を使った例文です。
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水を差すの会話例
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ところで、周りに空気が読めない人とか水を差してくる人って案外多くない?
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多い多い。何だろうね。態々言わなくても分かるでしょう、って突っ込みたくなるけど、それをしたら嫌われそうだからこっちが我慢しているけど、それも変だよね。
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俺が思うのは、意外と頭が良い人や仕事が出来る人に限って、そんな傾向なんだよね。
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勉強ばっかりで友達と遊んでこなかったからでしょう。だから、自分が水を差しているとは1ミリも理解していないのよね。でも、あなたの一言でその場がシーンとなっても、折れない心は凄いよね。
知人男女が空気が読めない人について会話をしています。
水を差すの類義語
「水を差す」の類義語には、「水を掛ける」「お節介」「口を挟む」「話の腰を折る」などの言葉が挙げられます。
水を差すの対義語
「水を差す」の対義語には、「火に油を注ぐ」「水をさす」「大切にする」などの言葉が挙げられます。
水を差すまとめ
「水を差す」は仲のいい者同士を邪魔をする事で、意識的にしろ無意識にしろ相手が不快になる行為をしています。所謂、横槍などの妨害行為ですが、やられた方が妥協できるぐらいの些細なものから本格的な迷惑行為と、その範囲は一言で「水を差す」と言ってもかなり範囲は広いです。また、経済においても状況が悪い事で割と多く使われ、景気落ち込みが懸念されると「購買意欲に水を差されている」といった形が多い表現です。