「治外法権」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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治外法権(ちがいほうけん)

「治外法権」とは「外交官など一部外国人に与えられる警察の逮捕や裁判権などを免れる特別権利」です。外交官の国際犯罪などを舞台にした小説や映画ですっかりお馴染みの「治外法権」をズルいと思った人もいるでしょうが、その国の文化や常識をはき違えていたり、或いはスパイ容疑などで不当に逮捕されるのを防ぐ狙いから国際上で認められています。ですから、派遣する国からすると絶対に必要な権利なのです。

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治外法権の意味とは

「治外法権」の意味は以下の通りとなります。
 (1)国際法で定められた外交官や外国元首など特定の外国人はその国の法律や裁判権に服さないで済む権利。
 (2)外交官やその家族など特定の人物のみに与えられた特権で、在留する国で犯罪行為を犯しても警察は逮捕できず裁判にも掛けられないで免除される事から「外交特権」とも呼ばれる。
「治外法権」は簡単に言えば「外交官など一部外国人のみに与える逮捕を逃れる特別権利」です。しかし、この「治外法権」が定められた1858年と現代では適用範囲が異なるので、ある意味で別の法律のような印象を抱きがちですが、基本となる中身は同じです。現代では外交官・領事・領事館職員に加えてその家族と使用人で、昔はこれらに加えて船員や商人なども場合によっては「治外法権」という扱いでした。また普通の一般外国人も「治外法権」で逮捕を逃れたケースも少なからずあったようですが、現代においては日本だけでなく他国でも犯罪者が外国人だからといって「治外法権」となる事はありません。よって、外国人でも日本の警察や裁判所が逮捕や裁判を行いますが、外交官など一部は特権によって除外されます。

治外法権の由来

「治外法権」の発祥はローマ帝国時代とされ、外部の商人などには出身国の法律を適用するというものでした。その後はイギリスやフランスなどがアフリカ大陸を支配する際の「不平等条約」で「治外法権」を半ば強引に認めさせ、その流れから日本でも1858年の「日米修好通商条約」の「安政条約」で外国側の領事裁判権、開港場・開市場での居住貿易権、居留地設定などと一緒に定められましたが、欧米とも対等に交渉できるようになって1911年に完全撤廃となりました。

治外法権の文章・例文

例文1.ヤクザ映画などに登場する悪徳な外交官などは治外法権を巧みに使っているので、どうにも悪いイメージしかない。
例文2.外交官などは国の代表者なので治外法権という特別権利を与えているが、外交官ナンバーの迷惑な駐車違反と罰金踏み倒しも横行し何とか対策してもらいたい。
例文3.在日米軍基地は治外法権ではないが、それは殆ど建前であり実際に警察が中に入って捜査をするのは不可能に近い。
例文4.ロシアの外交官にもきちんと治外法権を与える日本は素晴らしい温情がある国家だが、公安が対象者をきちんと徹底的に尾行と監視をしている賜物で国内の平と安全がある。
例文5.学生時代に勉強を徹底的に叩き込んだ我慢強い子供が将来はエリートと呼ばれる外交官になり、念願叶って先進国に赴任が決まれば大いに遊びまくり、飲酒運転ぐらいで地元警察に捕まれば早口言葉で治外法権を主張して難を逃れる。
「治外法権」を使った例文となります。

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治外法権の会話例

  • 外交官はいいよなー。

  • どうしてよ?

  • だって治外法権で守られているんだよ。だから飲酒運転をしても、薬をやってもお咎めはなし。エリートは一生安泰ってやつだよ。

  • でも実際に外交官ながら犯罪ばかりしていたら、逮捕はされなくても出世の見込みはなくなるでしょう。だから私達がエリートの将来や特権を気にしても仕方がないって。

外交官の「治外法権」を羨む男の愚痴めいた会話です。

治外法権の類義語

「治外法権」の類義語には「領事裁判権」「領事裁判」「外交特権」「行政特権」「聖域扱い」「不逮捕特権」「不可侵権」などの言葉が挙げられます。

治外法権の対義語

「治外法権」の対義語はありません。補足として「外国人へ与えた特別な権利」とすれば、「外国人」の対義語は「邦人」「日本人」、「特別」の対義語は「普通」「一般」、「権利」の対義語は「義務」「役目」などになります。

治外法権まとめ

外交官やその家族などのみに認めた在留国の法律の適用外とする特別な権利が「治外法権」です。その国の裁判権や警察権に行使されないので、外交官などは逮捕されたり裁判になる事もありません。そんな特権は主権平等の権利に反するとして「不平等条約」という扱いになり改善されましたが、現在でも外交官などは「治外法権」で守られています。

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