泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)
三国志ファンなら、知っている方も多い有名な故事成語が「泣いて馬謖を斬る」(ないてばしょくをきる)です。”斬る”という言葉が入るので、戦闘に関連した意味を持つのは理解できますが、本来の意味や由来などは、三国志ファン以外にとっては難しいものです。そこで、「泣いて馬謖を斬る」の意味や由来、例文などから丁寧に解説をさせて頂きます。
この記事の目次
泣いて馬謖を斬るの意味とは
「泣いて馬謖を斬る」を現代風に訳すなら、「全体としての規律や規則を徹底させるには、親しい者や愛する者でも処分する」という意味にになります。また、「優秀であったり、能力が高くても、過ちや問題があるなら責任を取らせる」という際にも用いられ、ビジネスやスポーツの世界では、この考え方が徹底されている節が強く残されています。
泣いて馬謖を斬るの由来
中国の三国時代の蜀を治めていた政治家・軍師の”諸葛孔明”(しょかつこうめい)は、家臣である”馬謖”が指示に背き、それが原因となり敗戦するに至った。その責任で馬謖を処刑する際、諸葛孔明は葛藤から涙を流していたが、軍としての規律や責任の所在を明らかにする為、断腸の思いで「馬謖を斬った」と言われています。
泣いて馬謖を斬るの文章・例文
例文1.誰よりも練習に頑張ったキャプテンをレギュラーから外すのは、泣いて馬謖を斬るという思いが監督にあったはずだ。
例文2.泣いて馬謖を斬ると比較すると大げさだが、息子に対し厳しく注意をした。
例文3.左遷されてしまったが、決断をした上司はきっと泣いて馬謖を斬る覚悟だったのだろう。
例文4.有名人が子供の犯罪で謝罪の記者会見を開くのは、泣いて馬謖を斬るという表現がピッタリに感じる。
例文5.泣いて馬謖を斬るという故事のように、大学に入学してから勉強をしないで遊んでばかりの息子を家から追い出す決心をした
「泣いて馬謖を斬る」は使い方が限られるので、例文も多少無理があります。しかし、ピンポイントで確実に使える故事成語なので、覚えておくととても便利です。
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泣いて馬謖を斬るの会話例
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三国志が好きなら、「泣いて馬謖を斬る」も当然知っているよね?
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もちろん知っているよ。悲しい背景があって、そこがグッとくるのよね。それにしても、「泣いて馬謖を斬る」って今では人間関係もドライだから、あまり使う場面が少なくない?
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確かにそうだよね。私なんか愛犬を何匹も飼っていて、そこで一匹だけをしつける時に、正確な意味とは少し違うけど「泣いて馬謖を斬る」を思い出すなー。
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そうそう、私も兄弟の中から長男だけを注意する時に思い出す。私たち、とてもスケールの小さい「泣いて馬謖を斬る」なんだよねー。
三国志が好き同士の会話で、「泣いて馬謖を斬る」を使う場面を探しているが、実際の生活では言葉通りの意味では使えないというやり取りです。
泣いて馬謖を斬るの類義語
「泣いて馬謖を斬る」の類義語には、「可愛い子には旅をさせよ」「心を鬼にする」などの言葉が挙げられます。
泣いて馬謖を斬るまとめ
全体の規律の為、例え親しい人や愛する者でも厳しく接したり処分する事を「泣いて馬謖を斬る」と言います。中国の三国志時代が発祥の故事成語で、現代では人間関係もドライになってきているので、使う頻度も少なくなっていますが、スポーツや会社組織では色濃く残っています。