流れに棹さす(ながれにさおさす)

「流れに棹さす」とは「良い流れに乗ってさらに勢いが増す様に、物事が順調に進む喩え」です。世の中はその都度で大きな流れが起こり、これに乗るか乗らないかで極端に言えば命運を大きく左右する事もあります。どちらが良いかは後にならないと分かりませんが、そんな事を考えてしまう「流れに棹さす」の解説となります。

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流れに棹さすの意味とは

「流れに棹さす」の意味は以下の通りとなります。
 (1)物事が思い通りに進む事。勢いに乗って良い方向へ順調に進む事。
 (2)船頭が棹を差して舟を推進させる事から、流れに乗って物事が順調に進む喩え。
 (3)本来の意味の反対であり誤用となる、流れに逆らい勢いとは逆に進む喩え。
”棹”は「細長い棒」「舟を進ませる棒」で、文字通り取れば「(船頭が川の)流れに棹を差して勢いに乗って進む事」が「流れに棹さす」です。そこから様々な物事に対して、特に世の中の流れなどの時流に乗って良い方向に進む喩えとなります。しかし、昨今は本来は誤用である反対の意味として広く世間に浸透している感があります。「流れに棹を差す行為」が多くからすると、流れとは反対に進むと受け取られ、例えば「世の中はスマホ一色だが、自分だけは流れに棹さす気概でガラケーを使い続ける」といった風に使われます。繰り返しですが、このような使い方は誤用なのですがまるで正用としてまかり通っています。まとめると、物事が順調に進む・思い通りに進むといった実に分かりやすい諺なのですが、反対となる誤用がまかり通っているので、流れとは逆に進む喩えでもあるのが現状です。

流れに棹さすの由来

「流れに棹さす」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”流れ”は平安時代中期の求婚物語「宇津保物語」や歌舞伎や浄瑠璃の外題「用明天王職人鑑」などに文言が記されています。

流れに棹さすの文章・例文

例文1.サッカー人気はW杯に命運が託され、日本代表が勝利すると流れに棹さす事になるが、予選敗退ならそれは目も当てられない惨状になってしまう。
例文2.かつてはラーメンブームがあり、自分も流れに棹さすと決めて連日人気店を巡ってはコッテリしたものを食べて喜んでいたが、それから数年ぐらい経過するとブームは過ぎたのに体重はうなぎ上りで増えて顔色も悪くなり体調悪化に苦しんだ。
例文3.今年は酷い円安だと思っていたら10月頃から急激な円高に転換し、こんな相場を予想出来る人は皆無なのだから流れに棹さすと嘯いて儲かっていると口にするのは投資家ではなく詐欺師だ。
例文4.流れに棹さすのを人生の決め事にしていたが、なぜか大衆とは自然と逆の行動を取っている自分は根っからの変わり者なようだ。
例文5.国民は忘れやすく、何があっても政府を支持する流れに棹さすのが正義なのだから、このままだと悲惨な結果が待ち構えていても突き進むしかない。
「流れに棹さす」を使った例文となります。

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流れに棹さすの会話例

  • 質問者アイコン

    今年も色々あった。でも、あまり覚えていないというか、その時は強烈でもずっと引きずらないんだよね。

  • 回答者アイコン

    まあ、次から次へと色々あるから、一つをいつまでも引っ張らないわよね。私なんて、もうサッカー熱が冷めた。

  • 質問者アイコン

    あれだけ流れに棹さすようにW杯一色で、日本代表のユニフォームも買い漁っていたのに、もうブームは終わり?

  • 回答者アイコン

    っていうか、ユニフォームはもうフリマで売ったわよ。高値で売れる内に小遣いを稼ぐのも流れに棹さすって事。

W杯ブームも日本代表が負けると急激に冷めてしまう、にわか女性ファンという内容です。

流れに棹さすの類義語

「流れに棹さす」の類義語には「得手に帆を上げる」「上げ潮に乗る」「追風に帆を上げる」などの言葉が挙げられます。

流れに棹さすの対義語

「流れに棹さす」の対義語には「茨の道を行く」「弱り目に祟り目」「水を差す」「停頓」「停滞」などの言葉が挙げられます。

流れに棹さすまとめ

物事が順調に進み、まるで大きな勢いに乗っているかのように良い感じな事が「流れに棹さす」です。川の流れに棹を差して、さらに勢いに乗っていると窺える諺になっています。しかし、昨今は誤用である流れに乗らず反対に逆らうという意味合いでも使用され、世間的には大半を占めている場合もあります。

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