「海の藻屑と消える」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

B!

海の藻屑と消える(うみのもくずときえる)

「海の藻屑と消える」とは「海で死んでしまい遺体が発見されない喩え」です。水難事故とはどうしても避けられないところがあり、例えば川の場合は遺体が発見されるケースも多いですが、海の場合はその圧倒的な広さから捜索にも限界があり、どうしても発見されず打ち切りとなるのです。そんな遣る瀬無さを表す諺が「海の藻屑と消える」で、大切な人が海で亡くなってしまった気持ちを表す表現となります。

[adstext]
[ads]

海の藻屑と消えるの意味とは

「海の藻屑と消える」の意味は以下の通りとなります。
 (1)海に沈んで死んでしまう喩え。
 (2)海難事故などで人が海に沈んで命を落とす事で、遺体が上がらない事から海草である藻の一部になってしまったと喩える表現。
 (3)「藻屑と消える」「海の藻屑となる」なども同義。
”藻屑”は「水中の草の総称」「海中に生ずる藻類や海草などの総称」「海の屑から儚いものや取るに足らないもの」なので、文字通り取れば海の底で人が藻類となって消えてしまうのが「海の藻屑と消える」です。ですから、海難事故などで人が沈んだまま浮かび上がらない状態で、要するに「遺体が未発見」を「海の藻屑と消える」と喩えています。そのような状況の家族などを前にして軽々しく使う訳にもいかずかなり限定された言葉となっていて、状況にもよりますが「海で死んだ」「遺体が上がらない」では重みがなく失礼ともなりますし、それを踏まえて遺族側が逆に周囲に気を遣って自ら「○○は海の藻屑と消えた」と使う事も多いです。さらには、遺体が上がっていない事から藻屑となっても家族の心の中では元気に生きているや、自然に帰ったという解釈とする場合もあります。

海の藻屑と消えるの由来

「海の藻屑と消える」の由来は残念ながら不明です。文献では”藻屑”として平安時代の勅撰歌集「古今歌集」などに文言が記されています。

海の藻屑と消えるの文章・例文

例文1.人生が本当にウンザリすると時々ボーっと海岸線を眺めては、もう少し勇気があれば海の藻屑と消えて楽になれる選択も出来ると考えが過るが、ギリギリで踏ん張って何とか日々を乗り切っている。
例文2.それこそ大昔は船舶も安全装備など無かったようなものなので、偉人達は海難事故に巻き込まれ海の藻屑と消えて命を落としたケースも多数あったのだろう。
例文3.あれだけ結婚しようと約束して貯金通帳も預けていた彼女が、まるで海の藻屑と消えたように姿を消してしまい、携帯に電話をしても繋がらず働いていたキャバクラも辞めてしまったようだが、今でも彼女は誠実で何かトラブルに巻き込まれただけと信じている。
例文4.漁師の父親は何かと言えば「海の藻屑と消えるなら本望だ」と強がるが、その割には船から陸に上がる度に膝がいつも震えているのは何故なのだろう。
例文5.生きていても覇気がなく死んだような顔をしているなら、人生は一度切りとダメなら海の藻屑と消える覚悟で何かに挑戦した方が充実した日々を送れるのかも知れない。。
「海の藻屑と消える」を使った例文となります。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

海の藻屑と消えるの会話例

  • あの人が亡くなって、もう三年が経ったのかー。

  • あっという間ね。事業が成功したとSNSなどで金持ちっぷりを必死にアピールしたら、まさかレンタルしたクルーザーで事故に遭って、そのまま海の藻屑と消えるとは…。

  • 人生は分からないなー。ところで、どうして当日クルーザーの船上パーティーに参加しなかったの? 当時は付き合っていたんでしょう。

  • 今更それを訊くの? もしかして私を疑っているの? あなたも海の藻屑と消える運命になるかも…って冗談よ。

海難事故で亡くなった知人について男女が会話を繰り広げています。

海の藻屑と消えるの類義語

「海の藻屑と消える」の類義語には「水泡に帰する」「元の木阿弥になる」「海底に葬られる」「藻屑と消える」などの言葉が挙げられます。

海の藻屑と消えるの対義語

「海の藻屑と消える」の対義語には「畳の上で死ぬ」「死の床を迎える」「万死の床に臥す」などの言葉が挙げられます。

海の藻屑と消えるまとめ

海の事故などに遭い亡くなってしまった事が「海の藻屑と消える」です。厳密には海から遺体が上がらず藻屑になったと、故人へ思いを馳せる言葉となっています。また、実際には死んでいるが、海の中で藻屑となって自然に帰ったという解釈も可能です。

最新の記事はこちらから