涙ぐましい(なみだぐましい)
見ていて「あーなんて大変そうなんだろう」「可哀想な状況だ」と感じるような努力をしている人や、そんな状況に陥ってしまった人は、関わっているものが多い人ほど見かけるものかもしれませんね。そんな時に用いる言葉がこの涙ぐましいというものになります。
今回はそんな「涙ぐましい」という言葉について、深く掘り下げていきたいと思います。
涙ぐましいの意味とは
「涙ぐましい」の「涙」は人の苦悩や葛藤に対して親身になり、共感する、可哀想だと思う「同情」という言葉の意味と、すごいね立派だねと深く感服して褒めた方がいいように感じる様を表す「関心」という二つの意味を持ったものになっています。
「涙」というたった一文字にこれだけの意味が込められているとは面白いものですよね。
「ぐましい」はそう思った、そう感じた気持ちの感覚が現れるような状況であることを意味した言葉として扱われています。
涙ぐましいの由来
「涙ぐましい」というこの言葉。最初にこの様な意味を持って取り扱われたとされるものとして、一説では源氏物語内にて1001年に作られた「若菜(わかな)」という54帖あるタイトルの一つであるものの中で「あるじの院もあはれに涙ぐましくおぼしいでらるる事どもおほかり」という一文が存在しており、この文脈内で用いられたことが由来となっているのではないかとされています。
涙ぐましいの文章・例文
例文1.あの人は毎日涙ぐましい努力をしている。
例文2.痩せることに関して涙ぐましい努力を続けた彼女だったが、とうとう諦めてしまったようだ。
例文3.涙ぐましい。これほど頑張った人が報われないストーリーだなんて。
例文4.試合が涙ぐましい結果で終わる。
例文5.試験合格に向けて涙ぐましい努力をしてきた彼だったが、その努力が報われる日が来たようだ。
涙ぐましいという言葉は一般的に何かに対して努力をしている、努力をしていた人や、それにも関わらず報われない結果になってしまったような状況においてよく使われる言葉です。
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涙ぐましいの会話例
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お得意先のAさんってものすごい体鍛えてますけど、何かされているんですかね?
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ボディビル大会で優勝を目指しているそうです。
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へえーそれはすごい!
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一度食事やトレーニング内容を見させてもらったのですが、本当に涙ぐましい内容でした。
それまで大変さを知らなかった世界を覗いて涙ぐましい気持ちになるというのはよくあることかもしれませんね。
涙ぐましいの類義語
涙ぐましいの類義語としては、「痛々しい(いたいたしい)」や「健気(けなげ)」などの言葉が挙げられます。
涙ぐましいまとめ
今、「自分は涙ぐましい努力をしている」と感じる人ほど、それが報われる日が早く訪れてほしいと思うものかもしれませんが、皮肉なもので「涙ぐましい努力」という認識そのものがもしかしたらその続けていることの精神的負担を増している可能性も、ないとは言い切れません。
言葉と同じように人の捉え方というのは上手くコントロールすることができれば毒にも薬にもなるものです。涙ぐましい努力なんて考え方は捨てて、目の前のことを楽しむという意識を持ってみると、全く想定していなかったタイミングでその続けていたことが何かに実を結ぶようなことになるかもしれません。