涙に沈む(なみだにしずむ)
「涙に沈む」とは「悲しみから号泣や大泣きしている事」です。心が晴れないや落ち込んでいる様を「気が沈む」と言いますが、同じように悲しみで心が晴れず泣いているのが「涙に沈む」で、本当に悲しい時ってその感情に支配されているので時間しか解決しないですよね。そんな「涙に沈む」の解説となります。
涙に沈むの意味とは
「涙に沈む」の意味は以下の通りとなります。
(1)ひどく涙を流す。涙が溢れる。
(2)泣き臥す。泣き沈む。
(3)嘆き悲しみから大泣きする。
”涙”は「涙腺から流れる液体」「泣く事」「人間らしい感情が極まり泣いてしまう事」、”沈む”は「水面上にあったものが水中に没する」「周囲より低くなる」「位置を下げる」「悪い状態に陥る」「暗い気持ち」で、涙が(下に)流れるのが「涙に沈む」です。通常の涙というよりも、酷い悲しみから大粒の涙が溢れているような号泣や長時間泣いているに近い感もあります。よって、それほどの大事が起こって泣き臥せているのです。涙には嬉し涙や感動してもらい泣きもありますが、今回の「涙に沈む」は基本的に悲しい際に使う言葉で、それは”沈む”からも窺えます。”沈む”は上述したように沈没などネガティブな表現なので、そこからも悲しい表現と理解できます。
涙に沈むの由来
「涙に沈む」の由来は平安時代の詩人・紫式部による「源氏物語」の「明石」となります。
涙に沈むの文章・例文
例文1.長年連れ添った愛犬が息を引き取った時は、受け入れられずにただ涙に沈むばかりだった。
例文2.令和になり有名人が続々と天に召されて、涙に沈むほど落ち込んでしまう。
例文3.祖母が亡くなった知らせを聞いた時は最初は冷静を保っていたが、段々と涙に沈みご飯も食べられず茫然としてしまった。
例文4.涙に沈む気持ちを切り替えて、今はなんとか立ち直って前向きになった。
例文5.涙に沈む妹を励まそうと何かしようと考えたが、そっとしておくのが一番だと思いお金だけを置いて一人にして外に出掛けた。
悲しみの号泣で「涙に沈む」を使った例文です。
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涙に沈むの会話例
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いつも明るいから羨ましいよ。悩みとかないでしょう? 俺なんてそんな風に振る舞えないよ。
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私だって、嫌な事が多かったんだよ。特に子供の頃は…。
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ごめん、そうだったの。
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そうだよ。両親が離婚したり、可愛がってくれた祖母が事故で亡くなったり…。でも、散々過ぎるぐらい涙に沈んだら、そこから前向きになったのよ。
いつも明るい知人女性も実は悲しい過去があったという内容です。
涙に沈むの類義語
「涙に沈む」の類義語には、「涙に暮れる」「涙に溺れる」「袖を絞る」「袖を濡らす」「声涙ともに下る」などの言葉が挙げられます。
涙に沈むの対義語
「涙に沈む」の対義語には、「歓喜の涙」「嬉し涙」「感泣」「涙腺崩壊」「感動の涙」などの言葉が挙げられます。
涙に沈むまとめ
「涙に沈む」は悲しい表現で、家族が亡くなったなどで涙が溢れたり泣き臥せてしまう事です。「悲しみのあまり涙に沈む」といった形が最も多く、嬉し涙や喜びの涙では使いません。また、普通に泣いているよりも号泣やずっと泣いている際に用いる言葉でもあります。