渡る世間に鬼はない(わたるせけんにおにはない)
「渡る世間に鬼はない」とは「世の中には鬼のような人だけでなく、情に厚い人は必ずいる」という意味です。「上司ガチャ」という言葉があるように、社会人になって良い上司に出会えるか悪い上司に出会えるかは、ガチャガチャのようなものです。悪い上司だけでなく、生きていて出会う人すべてが優しいということはなかったと思います。ですが、全員が自分に対して厳しいだけではなく、優しく情を持って接してくれた人もいると思います。そんな時に利用できるのがこの「渡る世間に鬼はない」ということわざになります。今回はそんな「渡る世間に鬼はない」について解説を行います。
この記事の目次
渡る世間に鬼はないの意味とは
「渡る世間に鬼はない」とは「世の中には鬼のような人だけでなく、情に厚い人は必ずいる」という意味です。鬼のように他の人を虐げたり、残虐なことをする人は今私たちが生活をしている社会にはいます。ただそういった人だけでなく、鬼がいるのであれば、その反対にある義を大切にして人情があり、どんな人にでも優しくする人がいる、という言葉通りの意味として使われています。ですので、誰かに優しくされた時に使用できる言葉になります。
渡る世間に鬼はないの由来
由来ははっきりとしたものは存在していませんが、1907年に世に出た「野分」という夏目漱石執筆の小説にて使用されています。「渡る」という言葉は「世の中で暮らしている」ことを指しています。「世間」とは「自分たちが今過ごしている社会」のことを指しています。「鬼」とは「残酷な人や、意地悪な人」を指しています。昔話に出てくるような鬼みたいな、ほかの人を虐げる人の事を今回は指しています。
直訳すると「今生きている社会で意地悪な人ばかりではない」という意味になります。そのため、残酷な人ばかりでないのであるから、困っている時に助けてくれる人もいるということで、このことわざは残酷な人だけでなく、情に厚い人もいる。という意味になります。有名なドラマの「渡る世間は鬼ばかり」はこのことわざを変えてつけられたものという話もあります。
渡る世間に鬼はないの文章・例文
例文1.大規模なプロジェクトの責任者に抜擢されて不安だったが、みんながサポートしてくれて渡る世間に鬼はなしとはこのことだなと理解した。
例文2.親切な人が幸せになれるツボをくれ、渡る世間に鬼はなしと思ったが、それは詐欺だった。
例文3.知らない土地で迷子になっていたが、勇気を出して歩いている人に聞いたらとても親切に教えてもらえた。渡る世間に鬼はなしだなと感じた。
例文4.新入社員が困っていないか部署の皆がずっと気にかけている。渡る世間に鬼はなしだな、と思った。
例文5.募金を行ったらたくさんの人が募金してくれた、渡る世間に鬼はなしとはこのことだ。
様々な「渡る世間に鬼はない」についての例文となります。
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渡る世間に鬼はないの会話例
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やばい、今日弁当持ってくるの忘れちゃった。
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仕方ないなぁ、じゃあ皆でちょっとずつ分けよう。
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ありがとう、渡る世間に鬼はなしってこの事なんだね。
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そうだよ、皆に感謝するんだな!
ご飯を忘れてきた人の会話です。
渡る世間に鬼はないの類義語
「渡る世間に鬼はない」の類義語には、「地獄で仏」「倒す神あれば起こす神あり」などの言葉が挙げられます。
渡る世間に鬼はないの対義語
「渡る世間に鬼はない」の対義語には、「寺の隣に鬼が棲む」「人を見たら鬼と思え」などの言葉が挙げられます。
渡る世間に鬼はないまとめ
もし、自分の周りには嫌な人しかいない、と思っている人がいるならば、このことわざを覚えておいてください。自分に対して辛く当たる人もいれば、優しく接してくれる人も存在します。そこまで思い詰めている時以外にも、誰が自分に対して優しくしてくれたりと、その人に対して優しさを感じた時にも利用できます。ポジティブな意味で使われる言葉なので、励ましのタイミングにも利用ができます。そのため、相手に感謝する時などにも積極的に使っていってもいいかもしれません。今回は「渡る世間に鬼はない」について解説を行いました。