湯屋の喧嘩(ゆやのけんか)

「湯屋の喧嘩」とは「風呂場での喧嘩は湯水を掛け合うとして、そこから水掛け論水掛け論の洒落た表現」です。本来なら素直に「水掛け論」としても良いのですが、もう少し捻ったというか別表現として「湯屋の喧嘩」となります。どことなく風呂場で喧嘩をして湯水を掛け合うと、傍観者が呆れている様が伝わってくる気がしませんか?

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湯屋の喧嘩の意味とは

「湯屋の喧嘩」の意味は以下の通りとなります。
 (1)互いに意見を言い合う無意味な水掛け論埒が明かない水掛け論の洒落た言い回し。
 (2)銭湯での喧嘩は湯水を掛け合う事から、水掛け論や些細な事で喧嘩をする喩え。
”湯屋”は「銭湯」「風呂屋」「浴場のある建物」、”喧嘩”は「言い争いや殴り合い」「騒がしい様子」で、文字通り取れば風呂場での言い争いが「湯屋の喧嘩」で、風呂場での喧嘩は湯水を掛け合う事から「水掛け論」の喩えや独特の言い回しにもなります。また、江戸時代の有名な言葉に「火事と喧嘩は江戸の華」というものがありますが、この時代は庶民に湯屋が浸透して憩いの場となっていた事から喧嘩も頻繁に起こっていたようです。ですから、本来は江戸の華というか日常的な出来事なのですが、それを後から”お湯”や”水”に”水掛け論”とも引っ掛けて誕生させた言葉になったのです。それを踏まえて実際に使う場合は、水掛け論のような言い争いをしている人達に対して「湯屋の喧嘩を静観した」「湯屋の喧嘩が始まった」といった風に使います。

湯屋の喧嘩の由来

「湯屋の喧嘩」の由来は残念ながら不明ですが、所謂風呂というものは日本では寺院に置かれて当初は修行の一環という側面もありました。それが徐々に休息の場として憩いにもなり、江戸時代になると庶民にも広まり現代の銭湯である「湯屋」が営業をするようになります。庶民が大勢利用をすると次第に喧嘩をするいざこざも発生するので、そこから誕生したと推測できますがそれ以上は分かっていません。

湯屋の喧嘩の文章・例文

例文1.自称論破王が今日もどこかで頭の悪い湯屋の喧嘩を繰り返し、信者から絶賛された喜びから本質を理解せずに難題にも首を突っ込み墓穴を掘る。
例文2.現代日本なら湯屋の喧嘩というよりも、SNS上での誹謗中傷からのレスバといったところだ。
例文3.学生時代は誰よりも静かに鉄道だけを愛していたのに、大人になり高級カメラを手にすると凶暴なフーリガンや反逆者もどきに変身し、駅員や地元住民に湯屋の喧嘩をふっかけては迷惑行為と自覚しないのは頭に石炭が詰め込まれ沸騰しているからだ。
例文4.現役弁護士といいながらも毎週ご苦労な事にテレビに出演してはお得意の暴論を捲し立て、時には湯屋の喧嘩となってもそれは演出であり本心は金の事しか考えていないから年々醜さが表れている。
例文5.ワイドショーでコメンテーター同士の言い争いこそ湯屋の喧嘩の典型だが、それを観ているのは老人とアニメにコスプレ大好きの若者と芸能人の浮気問題以外は記憶に残らない主婦だけだ。
「湯屋の喧嘩」を使った例文となります。

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湯屋の喧嘩の会話例

  • 質問者アイコン

    また課長が本社の連中と言い争っているよ。

  • 回答者アイコン

    もう出世の見込みがないから、無敵なんでしょうね。

  • 質問者アイコン

    だけど、所詮は水掛け論みたいなもので、反論するだけ無駄だから黙って従っていればいいのに。言わないと気が済まないんだろうな。

  • 回答者アイコン

    うちはネットビジネスを展開しているから、炎上するのは付きものじゃないですか? だから課長が本社と湯屋の喧嘩を繰り広げるのも、一つのマーケティング分析みたいなものでもう慣れっこですよ。

本社側の担当者と子会社の課長の言い争いを分析する同僚同士の会話です。

湯屋の喧嘩の類義語

「湯屋の喧嘩」の類義語には、「いたちごっこ」「押し問答」「不毛な争い」「堂々巡り」などの言葉が挙げられます。

湯屋の喧嘩まとめ

「湯屋の喧嘩」は風呂場での喧嘩は湯水を掛け合うとして、そこから水掛け論の喩えです。”湯水”と”水掛け”を引っ掛けた独特の言い回しで、お互いに譲り合わないどうでも良い言い争いなどを「湯屋の喧嘩」と表現します。

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