瀟洒(しょうしゃ)
「瀟洒」とは「洗練されているやオシャレで垢抜けている事」です。昔も今も使われる言葉に「格好いい」があり、これは何かと便利に人や物などに使用されています。しかし、時代によっては微妙に言葉が代わり、「格好いい」よりも「イケてる」「最高」「センスいい」などが主流になり、さらに遡ると明治や大正時代などは「垢抜け」や「洗練」、もっと畏まって「瀟洒」が使われていたかも知れませんね。
瀟洒の意味とは
「瀟洒」の意味は以下の通りとなります。
(1)すっきりと垢抜けしている。
(2)洗練や洒落ている事。
(3)さっぱりして野暮ったくない姿やそんな人。
”瀟”は「清い」「さっぱりした」、”洒”は「お酒」「酒を飲む」「清らか」「垢抜けている」で、さっぱりしたりあか抜けている感じの意味を持つ言葉が「瀟洒」です。そんなオシャレや洒落ている感じの人だけでなく、風景や景観などにも使える特徴を持っています。ですから、例として「横浜は瀟洒な建物が多い」や「横浜には瀟洒なファッションの人が多い」といった使われ方が可能です。要するに「オシャレ」「センスが良い」「素敵」といったニュアンスの言葉で、現代では古語的表現として文学作品などで見掛ける程度なので、馴染みが薄い人が大半ではないでしょうか。さらに深掘りすると、”酒”である「日本酒」は今でも「すっきり」や「さっぱり」と飲口を評する事からも、あまりゴチャゴチャせずあっさりとしたセンス良さを感じさせるファッションや風景などで「瀟洒」と表現するのがより合っているようです。
瀟洒の由来
「瀟洒」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては近代日本の小説家・菊池寛の著書「忠直卿行状記」などに文言が記されています。
瀟洒の文章・例文
例文1.彼は瀟洒な雰囲気の洋館の前で立ち尽くしていたら、偶然通りかかった警察官に職務質問をされそのまま警察署に連れていかれた。
例文2.瀟洒なあいつはきっと今日もどこかで好き勝手に生きて、もしかしたらアメリカやアフリカ大陸でヒッチハイクを楽しんでいるかも知れない。
例文3.作家や棋士とは不思議なもので、有名になるほど孤高のような存在感となってちょっとスーツを着るだけで瀟洒に見えてしまう。
例文4.30年近く田舎暮らしで実家を出た事もなかったのに、偶々ネットで斜めから物事を批評する論破動画がヒットしたら、都会で洗練された瀟洒な男というイメージが勝手に定着してしまい、今更それは大きな誤りと言えず困っている。
例文5.お台場の某テレビ局は昔は流行の最先端を走るような存在感だったが今ではテレビ離れや凋落のシンボルそのもので、今日もお昼から瀟洒とは真逆な野暮ったい素人タレントを何人も集めて賑やかな番組を放送したが、世間は恐らく誰も観ていないのをスタッフは知ってか知らずか虚しさだけ倍増させてくれる。
「瀟洒」を使った例文となります。
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瀟洒の会話例
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スマホ1台があれば暇つぶしから買物まで出来て、本当に便利な世の中だよ。
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たまーにさ、スマホを持っていない人っているじゃない。別に他人だからいいんだけど、レジとかで現金払いであたふたしていると、どんなに格好良い人でも瀟洒には見えんのよ。分かるでしょう?
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だけど、そのスマホを無くしたり忘れると、もう人生の終わりのように悲壮感を漂わせるじゃない。その姿も格好悪くない?
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確かに言われてみれば…。結局はスマホが便利で最強なだけに、持っていないと急に野暮に見えるのよ。
日常生活に欠かせられないスマホについての会話です。
瀟洒の類義語
「瀟洒」の類義語には「清楚」「灰汁抜け」「洗練」「小洒落た」「こざっぱり」「華麗」「小粋」「格好良い」「スマート」「小意気」「上品」などの言葉が挙げられます。
瀟洒の対義語
「瀟洒」の対義語には「野暮」「野暮ったい」「無粋」「粋でない」「無骨」「ダサイ」「悪趣味」「格好悪い」「泥臭い」「下品」「粗野」などの言葉が挙げられます。
瀟洒まとめ
すっきりとしていて垢抜けているセンス良さが「瀟洒」です。現代はあまり使われませんが、明治や大正時代などは日常的に使用されていたと踏まえるなら、モダンやクールや粋といったニュアンスが近いと思われます。また、オシャレな人から建物などにも「瀟洒」となるので使い勝手は非常に良く、一言で簡潔に説明できる便利さがあります。