為替スワップ(Bilateral Liquidity Swap Agreement)
投資用語は複雑で難解なものが多く、プロでも正しく理解をしていない場合が往々にしてあります。今回の「為替スワップ」もそんな投資用語であり、一見理解をしているフリをしても、実は反対に覚えている事もあります。それは、「為替スワップ」は「通貨スワップ」、或いはFX取引のスワップポイントそのものと誤解や混乱している事が多いからです。
実際に為替取引をしない限りは、あまり気にする必要がない言葉ではありますが、理解をしていると経済ニュースなどをまた違った角度から見る事も出来るので、この機会に覚えてみてはどうでしょうか?
この記事の目次
為替スワップの意味とは
「為替スワップ」を理解するには、まずFXを知る必要があります。FXは誰もが目にする機会が多く、雑誌やネットの広告、或いは有名人を使ったCMなどが毎日のように流されています。FXの正式名称は「外国為替証拠金取引」で、これは少額金でも何倍にもして取引する事ができます。
このFXなどの各国通貨ペアの為替レートには、「直物為替レート」(じきものかわせ)と「先物為替レート」の二種類があり、一般的には「直物為替レート」が使われてテレビや新聞、FXなどもここでの値となります。厳密にはFXは業者によって値が違いますが、今回は割愛します。
それで、外国為替取引のひとつに”スワップ”という売買方法のがあります。これは、FXのスワップ(ポイント)とはまったく別物で、直物と先物では差額(乖離)があるので、それを利用して両方を同時に売買したり、或いは片方の時期を異ならせるなど、買いや売り注文を巧みに入れて利益を上げるよう試みるのが「為替スワップ」や「為替スワップ取引」となります。
この事からも、普通の個人投資家が行うのはまず有りえない、銀行などで為替取引業務を仕事としている専門家(プロ)のみが行っている取引が「為替スワップ」です。
為替スワップの由来
「為替スワップ」そのものの由来は不明ですが、スワップは英語で「swap」で、交換などの意味ととなります。スワップ取引はデリバティブ取引の一種で、その日本での歴史は江戸時代には既に始まっていたと言われています。
為替スワップの文章・例文
例文1.為替スワップは投資家でも正確に覚えている人は少ない。
例文2.為替スワップはデリバティブ取引の一つである。
例文3.直物為替と先物為替の取引を組み合わせたのが、為替スワップになる。
例文4.為替スワップ取引を行っているのは、所謂機関投資家だけで個人投資家の出る幕ではない!
例文5.デリバティブには、為替スワップやオプションや先物などがある。
為替スワップはどうしても、他の投資用語と混乱をしてしまうのは間違いないです。要するに、為替取引の一つだが、FXとは違ってプロ投資家だけが取引する形態と漠然と認識しても問題ありません。
為替スワップの会話例
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FXでは、為替スワップが出来るから、毎日小銭が稼げてお得だよね!
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そうだけど、多分言葉の意味を間違えていない?
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なんで? FXの為替取引をしてスワップポイントが貰えるから、略して”為替スワップ”じゃないの?
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それだと、本来の”為替スワップ”と意味が誤解するから、略して使わない方が良いよ!
為替取引をFXだけしか理解していないと、”為替スワップ”はどうしても会話例のようなスワップポイントを貰える取引と解釈をするのが自然です。しかし、全くの別物だと覚えましょう。
為替スワップの類義語
「為替スワップ」の類義語には、「通貨スワップ」「デリバティブ取引」などの言葉が挙げられます。
為替スワップまとめ
「為替スワップ」は、直物為替の売買に別の先物為替などを組み合わせる取引で、銀行の為替部門などプロ投資家が利益を獲得する為に用いられる投資法の一つです。