無双(むそう)
「無双」とは「比較対象よりも圧倒的に優れている事」です。サッカーなら誰よりも得点を決めたり、誰にも止められない独走状態なドリブルを得意とする選手をスポーツ紙やファンなどは「無双」や「無双状態」と絶賛するので、我々にも馴染みがありますよね。そもそも日本では格闘系の漫画などを切っ掛けに「無双」が全国の少年や青年達に使われ一種のブーム的な起爆剤になったと思いますが、現在はスポーツなどで多い表現のようです。
無双の意味とは
「無双」の意味は以下の通りとなります。
(1)世の中に並ぶものがないほど優れている人物や物事。無二。
(2)衣服の表と裏を同一生地で仕立て、裏返しでも着れるようにする事。
(3)相撲の技で相手の差し手を抱え込み内股や外股に当てて反対側から倒す方法。
「無双」には裏表の両方で着れる洋服や大相撲の技といった意味もありますが、文字通り「二つと無い」と書く事からも基本的には良い意味合いで並ぶものがないほどに優れている人や物事に対して使う表現です。戦国時代などで圧倒的な力で国を治めようとする人物、ゲームや音楽など特定分野でのチャンピオンや名人、学校や会社で一番の成績優秀な人などを称えるように「○○で無双状態」や「無双中」とします。よって、本人が使うというよりも周囲が実力を認めて使う場合が多く、特に2位など他者に対しても圧倒的な差があると「無双」とする事で強調していると感じられます。
無双の由来
「無双」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代発祥の文学作品「浮世草子」の「男色木芽漬」や「雑排」の「柳多留拾遺」などに文言が記されています。
無双の文章・例文
例文1.日夜我慢してまで修行をするよりも、適当な腕前でも酒を飲みながら素人向けな簡単料理を動画で提供する方が無双状態になれるのは実に現代らしい。
例文2.彼はボールをゴールに入れるという才能では確かに無双しているが、1円でも高い契約金を求める強欲な両親と本人の性格悪さが災いして、一度でも大けがをすればもう自慢のスピードは影を潜め二度とフットボールの世界で居場所を探す事ができなくなる。
例文3.あと10年も経たない内に、線状降水帯といった集中豪雨の市民向け注意喚起で無双や唯一無二といった言葉が使われるようになるかも知れない。
例文4.大谷があれだけホームランを打ち無双していられるのはメジャーリーグ全体のレベルが下がり、人気ある他のスポーツに運動神経が優秀な才能を持つ若者が流れているからではないのか。
例文5.人生において一度も無双など味わった事もないが、今後は老いていくだけなのでさらに絶望ばかりが押し寄せ、偉大な才能で活躍する者とは圧倒的な距離がさらに広がり、あらゆる面での二極化が進んでいく未来が想像できる。
「無双」を使った例文となります。
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無双の会話例
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今日はパチンコが調子良かったー。5万も勝ったよ。
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そんなに無双したなら、少しは奢ってよ。
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それはダメだよ。明日もイケると思うから、また北斗無双で勝負する軍資金だから。
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明日負けるから、今日の内に奢って欲しいの。ほら、早くご飯食べに行こう。
パチンコで勝った彼氏に夕食を奢って欲しいとお願いする彼女という内容です。
無双の類義語
「無双」の類義語には「無敵」「無類」「随一」「最強」「最上」「最高」「至高」「無比」「一番」「珠玉」「引けを取らない」「右に出る者はない」「肩を並べる者はいない」「飛び抜ける」などの言葉が挙げられます。
無双の対義語
「無双」の対義語には「無数」「無限」「多数」「無尽蔵」「数えきれない」「幾多」「膨大」「大量」などの言葉が挙げられます。
無双まとめ
相手と比較して圧倒的に優れて勝負にもならないのが「無双」です。その見事な強さや優秀さからライバルがいないので「無双中」や「無双状態」としてSNSなどで若い世代が好んで使ったりもします。また、「天下無双」や「国士無双」としたり、相撲や洋服で用いたりと実はいくつもの意味がある言葉でもあります。