無沙汰(ぶさた)
「無沙汰」とは「知人などと連絡や訪問をしていない事」や「不注意・不用意・無関心」などです。ネット社会となってさらにSNSやメッセージアプリが主流となると、いくら良く知っている間柄でも長い間直接顔を合わせないや電話もしなくなるケースが多々あると思います。それはある意味で失礼なので、久しぶりに再会する時には年下などから「ご無沙汰しております」と挨拶をするのがマナーとなっています。
無沙汰の意味とは
「無沙汰」の意味は以下の通りとなります。
(1)長い間に渡って訪問や連絡をしない事。無音。
(2)処置や指図をしない。
(3)注意を怠る。不用意になる。
(4)無関心。事情に疎い。放っておく。
(5)「不沙汰」とも書き同義。
「無沙汰」は上記のように複数の意味を持ちますが、一般的には「ご無沙汰」(御無沙汰)として長い間会っていない友人知人や連絡をしていない場合に使う表現となります。友人なら「ご無沙汰」でも問題ありませんが、目上の人なら「ご無沙汰しております」と最初の第一声や手紙の頭語で拝啓の後に続く文章で用います。そこには「長い間会えずに申し訳ありません」や「お久しぶりですが」といった相手を気遣う言葉と受け取れます。また、ある種の常識やマナーでもあるので、取り敢えずは目上の人との久しぶりの再会や手紙を出す時には「ご無沙汰しております」とすれば問題ないところもあります。他の使い方としては「退屈」や「やる事がない」という意味の「手持ち無沙汰」があり、「ご無沙汰」の次に有名なフレーズとなっています。現代において「無沙汰」は古語的な表現となっていて単独で使われるのは少なく、一方では「ご無沙汰しております」と「手持ち無沙汰」があまりにも多く使われるようになっています。
無沙汰の由来
「無沙汰」の由来として”沙”は「砂」で”汰”は「より分ける」という意味から、元々は水中で砂から砂金を分ける作業の事でしたが、そこから「知らせ」という意味も加えられて「沙汰」になりました。そして「連絡をしない」ので”無”を付けて「無沙汰」となり、それを丁寧な物言いでは”御”を付けて「御無沙汰」となります。
無沙汰の文章・例文
例文1.転職をして再び営業職に就いたが、「ご無沙汰しております」などの敬語を使うのがなれずに早くも暗雲が立ち込めている。
例文2.「ご無沙汰でーす」と大声を掛けたら、「昨日会ったよー」と半分呆けてしまった親戚のオジサンから1年振りに同じことを言われた。
例文3.ずいぶんとご無沙汰な感もある久しぶりの大物ロックバンドの新曲が予想以上に良くて嬉しかったが、どうせプロデューサーが主体となって作り上げた形だけの作曲なんだと汲んだ。
例文4.実家にはいつも手持ち無沙汰で帰るが、それでも母親は笑顔で迎え入れてくれる。
例文5.いじめっ子体質な上司と無沙汰になってこんなに嬉しい事はない。
「無沙汰」を使った例文となります。
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無沙汰の会話例
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あのー、ご無沙汰しております…。
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どうしたの? そんなに畏まって…。もしかしてお金を貸せだったら、私も無理よ。今月は支払いが多くてつらいの。
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そうでしたかー。もちろんお金を借りる気はありませんが…、そのー貸して貰えないなら…、ちょっと用事があるので失礼します。
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手持ち無沙汰でやってきて、お金がないと分かったら早速用無しで居なくなるんだから。本当に嫌な人。
久しぶりに知人女性からお金を無心しようとした男性という内容です。
無沙汰の類義語
「無沙汰」の類義語には「無音」「久闊」「梨の礫」「音信不通」「消息不明」「連絡なし」などの言葉が挙げられます。
無沙汰の対義語
「無沙汰」の対義語には「伝達」「通達」「音信」「用心深い」「用意周到」「関心」などの言葉が挙げられます。
無沙汰まとめ
長い間連絡を取らず訪れない、又は不用意や不注意に無関心といった意味を持つのが「無沙汰」です。不用意などで用いる事もありますが、連絡を久しぶりに取った際に「ご無沙汰しております」とした使い方が定番で、相手に失礼を詫びるマナーや常識としての言葉になっています。