焦眉(しょうび)
「焦眉」とは「大変な危険が迫った状況」です。現代において日常的に用いられるのは「危険」「ピンチ」でしょうが、これらをもう少し丁寧で畏まった表現にすると「焦眉」になります。要するに「危険」などは些細な物事でも何気なく使われるので、本当の解決すべき課題に直面した際には重く受け止め「焦眉」とする頻度も増えてきます。
焦眉の意味とは
「焦眉」の意味は以下の通りとなります。
(1)危険が迫っている。差し迫った状況に陥る。
(2)眉を焦がすほど火が迫っている様から、急いで物事の解決を要する状態。
(3)「焦眉の急」「焦眉之急」「緊急事態」も同義。
”焦”は「焦げる」「焦がす」「焦る」「いらいら」、”眉”は「まゆ」「眉毛」「へり」「年寄り」で、文字通り取れば眉が焦げる状態が「焦眉」です。そこから眉が焦げるほど火の勢いが迫っているとして、大変な危険が迫っているという意味になります。簡単に言えば「大ピンチ」「緊急」「非常」「危機」といった状態に陥ってしまい、一刻も早く自分を守る行動を取る必要があります。使い方としては「焦眉の問題」「焦眉の急に迫っている」「焦眉の急を要する」といった形が多くなります。
焦眉の由来
「焦眉」の由来は古代中国・南宋時代の仏教歴史書「五灯会元」になります。
焦眉の文章・例文
例文1.数年前のワクチンが出回り始めた頃は焦眉の急に迫られていたが、今では4回も5回も摂取する人が少なくなり冷静な判断が出来るようになってきた。
例文2.少子化に温暖化に隣国の脅威など日本を取り巻く焦眉な問題をのんびり対処する時間は残されていない。
例文3.これほど焦眉の急が迫っていても、解決する手段を行使するか否かの決定権を持つのが老人ばかりなのだから、この国が廃り終わりに近付くのも納得だ。
例文4.ロシアという国は今後どのような立ち位置になるのか理解していないのはKGB出身者とその強力な支持者ぐらいで、まともな多くの国民は既に焦眉な状態を通り越してアフリカよりも最貧に成り下がると自覚し、どれほどウォッカを飲んでも酔えない現実が待っている。
例文5.温暖化で既に日本の食卓に欠かせられなかった魚は姿を消し、鳥インフルエンザで卵も鶏肉も価格高騰しているがどうにも政府は焦眉という危機意識は皆無で、解決する気がない宗教団体への着地点を呑気に探して茶を濁す始末だ。
「焦眉」を使った例文となります。
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焦眉の会話例
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しまったー。今回はボーナスが少ないんだ!
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業績が悪かったからね。でも、そんなの周知の事実じゃないですか?
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そうなんだけど、ボーナスを当てにして車やマンションのローンを組んでいたから…。最悪だ…。俺の人生は悠々自適だと思っていたけど、ボーナスが少ないぐらいで焦眉の急が迫って窮地に陥るとは…。そこで相談なんだけど…。
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お金なら貸しませんよ。っていうか、普通は知り合い程度でしかも年下の女性に借りないでしょういい大人が。
ボーナス額が少なく返済が難しくなり焦ってしまうという内容です。
焦眉の類義語
「焦眉」の類義語には「燃眉之急」「喫緊」「急務」「火急」「至急」「轍鮒之急」「燃眉」などの言葉が挙げられます。
焦眉の対義語
「焦眉」の対義語には「不急」「後回し」「平時」「日常」「通常」などの言葉が挙げられます。
焦眉まとめ
大変なピンチが迫っている状態が「焦眉」です。眉が焦げるほど火の勢いが近付いている事から、そんな差し迫った危機に直面し対処する必要があるので、「焦眉の問題」や「焦眉の急」と表現されます。