牙城(がじょう)
「牙城」とは「城や砦の中心人物がいる場所」や「組織の中心となる場所」です。敵の本拠地を攻め落とす際に「牙城を崩す」という使われ方が一般的で、例えば選挙やビジネス現場のシェア争いなどでは特に多くなり耳にすることも多いと思います。そもそもは戦で大将がいる城の本丸なのですが、そこから色々な場面でも使われる言葉へと変化していったようです。
牙城の意味とは
「牙城」の意味は以下の通りとなります。
(1)城の本丸である大将や首将がいる場所。
(2)組織において中心となる場所。本拠。根拠地。
(3)戦争で指揮を執る中心人物がいる場所はとても防御力が高い事が転じて、それだけ攻略するのが難しいやレベルが高い、又は能力高い人が多く居る喩え表現。
”牙”は「動物の鋭い歯」「鋭い歯が転じて敵の攻撃を防ぐ」「大将の旗印」、”城”は「城壁の町」「砦など堅固な建造物」で、昔は城の中で大将がいる場所には動物の牙で作った「牙旗」(がき)が立てられた事からその場所を「牙城」となります。「牙城」は城の中心である大将・指導者が居座る場所なので、戦の時はそこを目指して兵を送り、逆に攻められた時は絶対に「牙城」を死守したのです。そこから、「大将や首将がいる場所」「本丸」「会社などの組織で中心」といった意味になり、また大将の周りには優秀な家来が大勢いて倒すのが難しい事から「大物や悪人などの能力高い人が多く居る場所」や「攻略難しい場所」といったニュアンスにもなります。使い方としては「敵の牙城を崩す」「牙城から撤退」「牙城に迫る」といった風になります。
牙城の由来
「牙城」の由来は上記の通り、戦国時代などは城内の大将が居る場所には動物の牙で作った「牙旗」を立てていた事から名付けられたとされています。「牙旗」に関しては古代中国では象牙で作ったものを飾っていたのが始まりです。
牙城の文章・例文
例文1.昔は歌舞伎町のとあるビルはそれこそ極悪人だらけな牙城で一度入ったら出てこれないと噂されていたが、現在なら川崎の方が怖そうだ。
例文2.イングランドやスペインにブラジルは最早サッカー大国の牙城を守っているとは言い難く、どんなにクラブチームが結果を出しても代表が弱いと白けてしまう。
例文3.浮気大好きな女優や定期的にトラブルを起こす歌舞伎役者がいるかぎり、テレビ離れが叫ばれてもワイドショーの牙城はとても強固で崩れる心配はない。
例文4.アメリカ人が何かと拳銃を撃ちまくるのは世界中にドルを使わないとどうなるか分かっているなというメッセージで、だからどれだけ物価が上がろうが元大統領が逮捕されようがロシアが戦争をしようが、この超大国の牙城を崩すのは不可能である。
例文5.どの会社も金を稼ぐ営業部や人事を掌握する人事部は花形とされるので、それだけ立場が強くなれるこの牙城に入りたい野心家が多いが、失敗すると大変なのもまた事実である。
「牙城」を使った例文となります。
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牙城の会話例
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あのアイドル事務所の牙城は…。
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庶民の常識が通用しないほどとても高くて、雲や空よりも高い宇宙の彼方ね。
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1億人の熱心なファンと御用聞きなマスコミに守られているから、どれだけ元所属アイドルが性被害を訴えても現役アイドルは何食わぬ顔でテレビに出てはバラエティ番組で愛想を振りまき歌番組でダンスする構造は崩せないかー。
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恐ろしい人が作り上げたアイドル養成システムを今でも大事に守り続ける関係者は、この金を生み出す牙城は絶対に崩れない。いや崩させないって、絶対に思っているでしょうね。
某アイドル事務所への批判めいた会話内容です。
牙城の類義語
「牙城」の類義語には「拠点」「本拠」「本陣」「本営」「根城」「基地」「陣地」「自陣」「ホーム」などの言葉が挙げられます。
牙城の対義語
「牙城」の対義語には「敵地」「敵陣」「敵国」「アウェー」などの言葉が挙げられます。
牙城まとめ
昔の戦で城の本丸となる大将がいる場所が「牙城」です。それだけに大将を討ち勝利を掴むには「牙城」を攻め込み、「牙城」を落とす必要がありました。その名残から現代も会社などの中心となる部署、又は防御力が高い事などで「牙城」という表現が割と多く使われます。