狼狽(ろうばい)
「狼狽」は一見すると難しい言葉ですが、ある人にとってはゲームや映画などで見掛け、また別の人では投資世界で見聞きする機会が多いです。どちらでも、うろたえるの様な意味ですが、なぜ相反する世界で多く目にするのかも含めて、解説をさせて頂きます。
狼狽の意味とは
「狼狽」の意味は以下の通りとなります。
(1)慌てる、慌てふためく、狼狽える(うろたえる)。
(2)不測の事態に巻き込まれ混乱・困惑する。
(3)驚き、どうしてよいか分からない状況。
(4)”狼狽える”(うろたえる)と同義。
「狼狽」は上記の様な、要するに慌てるや混乱するといった意味合いで使われます。慌てる等よりも、さらに狼狽えている際に誇張として使われるのが多いと、個人的には思っています。また、最近は「人狼」というカードゲーム、「人狼ゲーム」という映画や小説も人気で、これらは人の心理を分析するので、それが若い人達から共感を得て、そこでは真実や嘘がバレてしまった際の豹変や狼狽ぶりが面白さに拍車をかけ、言葉としての「狼狽」に注目されるようになりました。また、正式な投資用語として「狼狽売り」も存在し、これは初心者などが陥りやすい、悪い経済ニュースなど悪材料に狼狽えパニックになった投資家が、保有している株式を投げやりに売却する事です。大抵はその後に値上がりするので、「狼狽売りで大損したー」と後先考えない行動(売却)を悔やむものです。
狼狽の由来
「狼狽」は、伝説の野獣である”狼”と”狽”が由来とされています。オオカミの一種とされる”狼”と”狽”は、”狼”が前足が長く、”狽は後ろ足が長く、その為に”狽”が”狼”の後部に乗っていたが、一度倒れてしまうと、互いに慌ててしまうのでその様子から名付けられたとされています。文献としては、空海の「三教指帰」(797年)に、「狼狽」を使った一文が残されています。
狼狽の文章・例文
例文1.トランプ大統領のTwitterに翻弄され、世界の株式市場では狼狽売りが連日続いた。
例文2.自身満々の志望校に落ちてしまい、あの時は狼狽しまくって家族に迷惑をかけてしまった。
例文3.初めて車で交通事故を起こした時は、本当に狼狽してしまい、保険会社に電話するのも一瞬忘れてしまった程だ。
例文4.大雨が降ると、雨漏りするのではと狼狽してしまう。
例文5.退職し貯金がどんどん減っていくのは、気が滅入り狼狽する日々だった。
「狼狽」を使った文章は意味合いとして、どうしてもマイナスな意味を持つものが多くなります。
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狼狽の会話例
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昨日職場を帰ろうとした際に、大きな間違いに気が付き、それから残ってやり直したから、疲れたよ。
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でも、気が付いて良かったじゃない。
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そうだけど、気が付いた時はしまったー! と焦りまくりで本当に狼狽したよ。友人との約束もあったから、それのキャンセルの連絡をしたり、職場の先輩に電話で間違いを教わったり、大変な一日だった。
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そうやって成長すると、職場でミスも減り狼狽する事もなくなるんだね。私的には、それでは面白くないけど。
仕事終わりに間違いに気が付き「狼狽」するほど大変だったと、男女が会話しています。
狼狽の類義語
「狼狽」の類義語には、「混乱」「周章狼狽」などの言葉が挙げられます。
狼狽まとめ
「狼狽」は、慌てるや慌てふためく、狼狽えるなどの意味を持つ言葉です。英語表記では、「panic」(パニック)や「confusion」(混乱)で、最近はゲームや小説や映画などでも「狼狽」や関連した言葉が注目を集めています。他にも、投資用語として悪材料で保有する株式を投げ打ってしまうのも「狼狽売り」となります。