猿も木から落ちる(さるもきからおちる)
「猿も木から落ちる」は、最も有名な諺と言っても過言ではありません。子供が最初に覚えるのは、きっとこれではないでしょうか? 意味も至極簡単で、一度で覚えられる容易さがあります。それだけに、改めて意味などを調べる機会がなかったと思いますが、より詳しい解説をさせて頂きます。
猿も木から落ちるの意味とは
「猿も木から落ちる」の意味は以下の通りとなります。
(1)木登りが上手な猿でも、時には落ちてしまう事から、名人達人だけでなく誰もが失敗する事があるという例え。
(2)その道を究めた人ですら、時には失敗をする。故に、細心の注意をするべきとする喚起。
普通の猿は木登りを難なくこなします。しかし、時にはその猿ですら木から落ちます。その例えとして、いくら達人や偉人と呼ばれる実力があっても、油断をすると失敗をするという意味です。また、だから常人はどんな些細な事も注意すべきとなります。ですから、実は実際に使う際には、微妙なニュアンスが違ってきます。ハッキリとした名人級に対して使う時もあれば、普通の人が時折起こしてしまう些細な間違いでも、「猿も木から落ちる」と使われているのが現状です。他には、失敗や想像より少し悪かった際のフォローとしても、使われる言葉です。
猿も木から落ちるの由来
「猿も木から落ちる」は、明確な発祥や由来などは不明のままです。昔から当たり前のように存在する諺ですが、誰が作り、いつ頃誕生したのかなど分かっていません。文献としては、江戸時代の俳諧撰集「鷹筑波」に「猿も木から落るたとへの木葉かな」と記されています。
猿も木から落ちるの文章・例文
例文1.子供の頃から成績優秀だったが、一度遊びを覚えると、猿も木から落ちるように成績が悪くなってしまった。
例文2.猿も木から落ちる。でもその後に再び木に登るでしょう。だから頑張って、と一般とは違った解釈をいれて母がフォローしてきた。
例文3.猿も木から落ちるが、その時に怪我をして登れなくなったらどうするのだろう、と病み気味の友人が呟いた。
例文4.サッカーの日本代表が高校生チームに負けたのは、いくら練習試合でも猿も木から落ちるような衝撃ものだ。
例文5.猿も木から落ちるが、そこで両足歩行を覚えたという説もある。
「猿も木から落ちる」の典型的な例文と、少し変わった解釈の例文の両方となります。
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猿も木から落ちるの会話例
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昨日、俺のシャンプーを勝手に使ったり、風呂も使い終わって掃除しないでそのままにしたでしょう。
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仕方ないでしょう。昨日は酔っぱらったんだから。ストレスが溜まっていて、飲んだら記憶がなくて…。そんな日もあるでしょう。だから、これが私のような完璧な女性でも、時には、猿も木から落ちるように飲んで失敗をするの。
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いや、普通はないよ。そこまで飲んだくれないよ。それに、猿も木から落ちるの使い方間違ってないかな!
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間違ってない。私は普段酔わないし、シャンプーも上手だから、それが使うのを間違えた。猿も木から落ちる、でしょう! 第一、シャンプーや風呂ぐらい別にいいでしょう。大事にならなくてよかったと安堵しなよ、弟なら!
「猿も木から落ちる」を少し間違って使う姉と弟の会話やり取りです。
猿も木から落ちるの類義語
「猿も木から落ちる」の類義語には、「弘法も筆の誤り」「河童の川流れ」などの言葉が挙げられます。
猿も木から落ちるまとめ
「猿も木から落ちる」は、木登りが得意な猿ですら時には失敗をするという意味で、偉人達人ですら時には失敗をするのだから、一般の人が多少得意とする事でも注意しないと失敗をするよ、という注意喚起になります。また、自信ある人が失敗をした際にも、フォローとして使われる事がある諺です。