玉水(たまみず)
「玉水」とは「清らかな水や雨垂れや水滴の事であり、またこれらの美称」です。水に関連する日本語が大変多いのは国土的に海に囲まれ山も多いからだと思いますが、日常的に「玉水」を使う人はかなり稀ではないでしょうか? しかし、雨音や流れる水滴を「玉水」とするのは文学的であり、覚えて損はありません。それでは解説に入らせて頂きます。
玉水の意味とは
「玉水」の意味は以下の通りとなります。
(1)清らかな水。清水。水の美称。
(2)滝。
(3)雨垂れなどの水滴や滴が落ちる美称。
「玉水」は水の中でも、綺麗で清らかな水や雨垂れ、そして滝を指しています。特に水や雨垂れを美しく表現する際に「玉水」として、慣用句には「軒の玉水」という言葉もあります。要するに「雨音が聞こえる」とするよりも、「玉水が聞こえる」とした方が風流であり趣が感じられます。同じように「水道水を沸騰させてお茶を飲む」よりも「玉水を沸騰させてお茶を飲む」の方が、どこか上品さがあります。他にも滝や瀑布という意味もありますが、実際にはなかなか使われていません。
玉水の由来
「玉水」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては日本で二番目に古い勅撰和歌集「後撰和歌集」(951年頃)などに文言が記されています。
玉水の文章・例文
例文1.田舎に行くと、湧き水などの玉水を飲むのが最大の楽しみである。
例文2.昔住んでいたアパートは昭和初期のような古い建物だったが、雨が降ると玉水の音色がとても心地良く、その点だけは気に入っていた。
例文3.普段は節約生活を送っているが、都会の水道水はどうも肌に合わず、玉水だけは高額と分かっていても購入してしまう。
例文4.お茶や紅茶だけでなく、お酒を割る時も玉水に拘った方が絶対に美味しい。
例文5.馴染みのスナックの店長はミネラルウォーターだと言い張るが、絶対に普通の水道水で玉水とは匂いから飲み口に何もかも違うし、それにこのカルキ臭は一体何だ。
「玉水」を使った例文となります。
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玉水の会話例
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ゴメン、ここは安いボロアパートだから壁も薄くて、隣の人の声も聞こえるんだよ。
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でもそこが苦学生らしくていいんじゃない。
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大学を卒業したら大企業で働き、その頃は高級マンションに住んでいるからここも居ても後数年だね。
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でも、雨が降ると玉水も聞こえるんでしょう。マンションに引っ越したら、きっとこっちが懐かしいと思い出すんじゃない。
安アパート暮らしでの会話となります。
玉水の類義語
「玉水」の類義語には、「名水」「雨滴」「湧き水」「岩清水」などの言葉が挙げられます。
玉水の対義語
「玉水」の対義語には、「濁水」「汚水」「濁り水」などの言葉が挙げられます。
玉水まとめ
「玉水」は清からな水や水滴という意味になります。現代的には古語とする扱いで、特に雨垂れや清らかな水の美称として用いられるケースが多いです。趣がある表現として、そのような雰囲気を印象付けたい際に使うのが良いでしょう。