玉虫色(たまむしいろ)
「玉虫色」とは「玉虫の色は人によって見え方が違う事から、様々な解釈可能となる曖昧表現の喩え」です。政治家が国会の予算委員会などで話すのは「玉虫色の答弁」ばかりですが、これは本人が悪いのではなく選ぶ有権者が悪いのです。しかし、誰を選んでも結局は顔が変わっただけでやる事は同じなので、なかなか難しい所ですよね。そんな事から、本来は美しい玉虫の羽の色の表現なのに、どうしても不快に感じてしまう「玉虫色」の解説となります。
玉虫色の意味とは
「玉虫色」の意味は以下の通りとなります。
(1)見方や立場や解釈の仕方によって、どのようにも解釈可能な曖昧な表現の喩え。
(2)タマムシ科の昆虫・玉虫の羽のように、光具合で緑・紫・金などに見える染め色や織り色の事。
”玉虫”は「甲虫目タマムシ科の昆虫」「タマムシ科でも特にヤマトタマムシの事」、”色”は「光によって目の受ける種々の感じ」「染料」「態度」「素振り」「気配」で、昆虫の玉虫の羽の色が光によって変化して見える事から、染物の色や曖昧表現の喩えとなるのが「玉虫色」です。ですから、純粋に色彩の一つとして金属的な光沢を帯びた美しい金や紫などの色合いで使う時もあれば、様々な解釈として「玉虫色」と使う事があります。しかし、一般的には文章表現の喩えとして使うのが一般的で、特に政治問題などで納得できない決着や妥協して終わった事に問題提起するように「玉虫色の〜」とするのが多いです。最も有名なのは「有耶無耶の終了」を喩えた「玉虫色の決着」で、他にも「玉虫色の幕引き」「玉虫色の回答」「玉虫色の解決」とする形もあります。要するに、真相や真実は藪の中という大勢が納得できない不可解な終わり方なのですが、その多くは国家や権力者に配慮した結果なのでこの人達は嬉しい幕引きとなり白黒をつけたのでしょうが、一般人やメディアからすると「玉虫色」であり納得できないのです。
玉虫色の由来
「玉虫色」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代に成立した短編物語「御伽草子」の「猿の草子」などに文言が記されています。
玉虫色の文章・例文
例文1.大物政治家は問題を起こしても派閥が庇ってくれて、最終的には玉虫色で決着をするから不祥事をしても全く問題がなくて庶民からしたら羨ましい限りだ。
例文2.日本ほど玉虫色の幕引きを好む人々が多い国も珍しい。
例文3.せめてスポーツの世界は健全であって欲しかったが、五輪や日大にサッカー協会の問題噴出から、トップに君臨する者が玉虫色な考えを払拭し英断するべきだが、それが出来ないので歯痒く情けない。
例文4.箪笥の奥に眠っていたコートを10数年振りに取り出したら、玉虫色でモダンなデザインに見えて気に入ってしまった。
例文5.コロナもいい加減に来年辺りでワクチンや陽性反応に自宅待機者などは一切なかった事になって、全ては玉虫色のなーなーで終わりそうだ。
政治やコロナなどで「玉虫色」を使った例文です。
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玉虫色の会話例
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ニュース観た? 自衛隊機が行方不明だって。
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それってもしかして…。
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うん。残念だけど多分墜落事故だと思うよ。だから隊員を発見するのは難しいんじゃないかな。
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一体何があったのか知りたいわよね。でも、政府は国民に詳細を知らせずに玉虫色で終わらせるんでしょう?
自衛隊機の行方不明について男女が会話をしています。
玉虫色の類義語
「玉虫色」の類義語には、「曖昧」「曖昧模糊」「不明瞭」「釈然としない」「腑に落ちない」「穏便」「お茶を濁す」などの言葉が挙げられます。
玉虫色の対義語
「玉虫色」の対義語には、「明瞭」「明確」「確実」「確定」「確然」などの言葉が挙げられます。
玉虫色まとめ
「玉虫色」は光の反射によって羽が様々な美しい色に見える特徴を持つ昆虫・玉虫から、いくつもの見方や解釈が可能な喩えです。政治世界や権力を握った大人達が大変好む有耶無耶で問題を終わらせてしまう事に、納得がいかない場合に「玉虫色の決着」となります。