珍妙(ちんみょう)
この言葉、「珍しい」という言葉と「不思議で優れている」といった意味を持つ「妙」という言葉で成り立っている関係から、語感からはあまりそういう印象は受けないかもしれませんが「他にない良さがある」といった形の褒め言葉としても扱うことのできる言葉となっております。
ただ、「きみ珍妙だね!」と言われて真っ直ぐ褒められていると感じる方はやっぱり少ないかもしれませんね。今回はそんな「珍妙」という言葉について、掘り下げたいと思います。
珍妙の意味
珍妙という言葉は冒頭の「他にない珍しさから優れていること、そのさま」という意味の他、語感にしっくり来る意味として「変わっているようで、おかしいこと、そのさま」というもう1つの意味も持っている言葉となっています。
珍妙の由来
この言葉が最初に用いられたのは一説では古くは1257年。鎌倉の時代の仏教説話集である「私聚百因縁集」という用語解説集の中にて「天より珍妙(ちんめう)之花雨(ふ)り下り」という形で文脈の中に「珍しい優れたさま」という意味の方で組み込まれたことであるとされています。
珍妙の文章・例文
例文1.珍妙な人。
例文2.彼はよく珍妙な格好をしている。
例文3.ずいぶん珍妙な雰囲気の場所だな。
例文4.昔は珍妙な人がよくこの辺を歩いていたものだよ。
例文5.様々な技術が急速進化していく現代は珍妙に感じる出来事の連続だ。
珍妙という言葉を解りやすい言葉に置き換えるなら「変わった」という表現が当てはまると考えられます。
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珍妙の会話例
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この間、息子がずいぶん珍妙な行動を取っていたんですよ。
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どんな行動を取っていたんですか?
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たまたま部屋を除いたら大きなゴーグルを付けて誰かと会話しているような独り言をしていたんですよ。
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ふむ、おそらくそれはVRチャットというゲームをプレイしているのだと思いますよ!
この言葉を褒め言葉として使える場面はそうそうないものかもしれませんね。
珍妙の類義語
珍妙の類義語として「けったい(卦体)」や「滑稽(こっけい)」といった言葉が挙げられます。
珍妙まとめ
珍妙というこの言葉には褒め言葉としての機能もしっかりあるのですが、「今まで見たことがないような新しさ」に対する褒め言葉としては「斬新」「空前絶後」といったもっとスッと伝わる適切な言葉が存在しているため、やはり使われる場面は「変わっている」ものに対してであることがほとんどであると思われます。
ただこのような2つの意味を持っていながら、その語感などの関係によって片方の意味で使われる機会が少ない言葉というのは面白いものですよね。